JLPGAプロテスト

2025年JLPGAプロテスト1次予選E地区、未来のヒロインたちの激闘と渋野暉璃子の非凡なる挑戦

2025年度第1次予選E地区が8月6日から8日にかけて、愛媛県のエリエールゴルフクラブ松山で開催された 。

ここで次なるステージへの切符を手にしたのは、通算3アンダーまでの36名 。ハイレベルなスコアが求められる中、様々な背景を持つ選手たちがそれぞれの想いを胸に、夢への第一歩を記した。

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異色の挑戦者、渋野暉璃子という存在

今大会で最も注目を集めた選手の一人が、渋野暉璃子(しぶの きりこ)だ。2019年の「AIG全英女子オープン」を制した渋野日向子の妹という肩書きを持つ彼女だが、その歩んできた道は姉とは全く異なる 。

多くのプロゴルファーがジュニア時代からゴルフ一筋の道を歩む中、暉璃子は小学生時代はソフトボールに打ち込み、投手として活躍した 。

進学先もゴルフ部のない岡山朝日高校で、一時は警察官や公務員を目指していたという 。彼女が本格的にプロの世界を意識し始めたのは、高校2年生の時に現地で姉のメジャー制覇を目の当たりにしたことがきっかけだった 。

その後、明治大学に進学し、人生で初めてゴルフ部に入部。そこで仲間と切磋琢磨し、才能を開花させた 。

そんな異色の経歴を持つ彼女が、今大会で見せたゴルフは圧巻の一言に尽きる。最終的に通算13アンダーを記録し、堂々の3位で1次予選を突破 。姉譲りとも言われる飛距離を武器に、そのポテンシャルが本物であることを証明した。

ジュニア時代の競技実績がほとんどない選手が、プロテストという大舞台でこれほどの成績を収めることは極めて稀であり、彼女の非凡な才能と独自のキャリアパスは、日本の女子ゴルフ界に新たな可能性を示唆している。

E地区を彩った未来のヒロインたち

渋野暉璃子以外にも、E地区には将来が期待される逸材が揃った。

順位 選手名 最終スコア
1 岡 里音 -17
2 肥後 莉音 -15
3 渋野 暉璃子 -13
8T 向井 七海 -10
25T 瀧瀬 遥葵 -4

圧巻のプレーで首位通過、岡里音

トップで通過したのは、香川県出身の18歳、岡里音(おか りおん)だ 。最終日に1イーグル、7バーディ、ノーボギーの「63」という驚異的なスコアを叩き出し、通算17アンダーで他を圧倒した 。

四国ジュニアを制するなどアマチュア時代から実績は十分であり、大舞台での勝負強さを見せつけた 。

多様なバックグラウンドを持つ合格者たち

2位に入った肥後莉音(ひご りおん)は、オーストラリア生まれで米国の名門ペパーダイン大学で腕を磨いた国際派 。

肥後莉音Instagram

8位タイの向井七海(むかい ななみ)は、大学ゴルフの強豪・東北福祉大学で主将を務めた経験を持つ実力者だ 。

向井七海Instagram

そして、25位タイで突破した瀧瀬遥葵(たきせ はるき)は、元陸上選手でシンガーソングライターを目指していたというユニークな経歴の持ち主である 。

瀧瀬遥葵Instagram

彼女たちの存在は、現代の女子ゴルフ界における選手育成の多様なモデルを象徴している。幼少期からのエリート教育、海外での経験、大学ゴルフでの成熟、そして他競技からの転向。それぞれが異なる道を経て、プロという一つの目標に向かって集結しているのだ。

次なる戦いの舞台へ

1次予選を突破した選手たちは、9月に開催される2次予選へと駒を進める 。会場は静ヒルズカントリークラブ(茨城県)など3地区に分かれ、さらに厳しい戦いが待ち受ける 。

A地区を11アンダーで首位通過した17歳の中嶋月葉(なかしま つきは)や、B地区を15アンダーで圧勝した乗富結(のりとみ ゆい)など、全国から猛者が集う 。

そして、この長く険しい道のりの最終決戦の地は、岡山県のJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部 。日本有数の本格的なリンクスコースであり、長年「~全英への道~ミズノオープン」の舞台となってきた 。

ここでは技術だけでなく、海からの強風を読み解く戦略性と精神力が試される 21。この最終関門は、国内ツアーだけでなく、世界で戦える選手を選抜するというJLPGAの明確な意思の表れとも言えるだろう。

渋野暉璃子をはじめ、E地区を突破した選手たちが、この試練を乗り越え、夢の舞台に立つことができるのか。彼女たちの挑戦から目が離せない。

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