2025年ステップ・アップ・ツアー

2025年ロイヤルメドウカップ、劇的な逆転劇でルーキー加藤麗奈が涙の初優勝

<Photo:Toru Hanai/Getty Images>

2025年7月10日から12日にかけて、栃木県のロイヤルメドウゴルフ倶楽部を舞台に開催されたJLPGAステップ・アップ・ツアー「ロイヤルメドウカップ」は、18歳のルーキー加藤麗奈が最終日に6打差を覆す圧巻のプレーで、プロ初優勝を飾るという劇的な幕切れとなった。

賞金総額2,000万円、優勝賞金360万円をかけた若手選手たちの熱戦は、ゴルフファンの記憶に深く刻まれるものとなった。

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初日:大林奈央がホールインワン達成で単独首位発進

Photo:JLPGA

大会初日、主役となったのは大林奈央だった。7バーディー、ノーボギーの完璧なゴルフに加え、17番パー3では見事ホールインワンを達成。圧巻の「64」をマークし、8アンダーで単独首位に立った。プロ入り後初のホールインワンという快挙も成し遂げ、幸先の良いスタートを切った。2打差の2位には今季ステップ2勝目を狙う皆吉愛寿香、3位にはベテランの吉田弓美子がつけ、虎視眈々と逆転を狙う展開となった。

2日目:大林が首位キープ、最終日に向けて混戦模様

2日目も大林は安定したプレーを続け、スコアを4つ伸ばして通算12アンダーとし、単独首位を堅持した。しかし、後続も猛追を見せる。同じくルーキーの大久保柚季がこの日「66」の好スコアを叩き出し、通算10アンダーの2位タイに浮上。6打差の6アンダー6位タイには、後にシンデレラストーリーを巻き起こす加藤麗奈も静かに順位を上げていた。前年覇者の石川怜奈は苦戦し、55位タイでかろうじて予選を通過した。

最終日:18歳新星・加藤麗奈、驚異の「64」で大逆転

誰もが予想しなかったドラマが最終日に待っていた。首位と6打差でスタートした加藤麗奈が、前半から猛チャージをかける。面白いようにバーディーを積み重ね、バックナインに入ってもその勢いは衰えなかった。最終的に8バーディー、ノーボギーの「64」という驚異的なスコアを記録。通算13アンダーでホールアウトし、後続組の結果を待った。

一方、最終組を回る首位の大林奈央と2位の大久保柚季は、優勝へのプレッシャーからか、思うようにスコアを伸ばせない。最終的に両者とも通算12アンダーでフィニッシュ。この瞬間、加藤麗奈の6打差からの歴史的な大逆転優勝が決定した。

プロテスト合格からわずか1年、18歳の新星が見せた恐るべき集中力と爆発力は、観衆に大きな感動を与えた。涙の初優勝インタビューでは、「信じられない気持ちでいっぱいです。最後まで諦めずにプレーして本当に良かった」と喜びを語った。

若手の台頭とベテランの奮闘が光った3日間

今大会は、加藤や大久保といったルーキーの活躍が際立つ一方で、服部真夕や西山ゆかりといったレギュラーツアー優勝経験を持つベテラン勢もトップ10に入るなど、新旧の力がぶつかり合う見応えのある展開となった。アマチュアの伊藤愛華も5位タイに入る健闘を見せ、今後の女子ゴルフ界の層の厚さを感じさせた。

若き女王の誕生で幕を閉じた2025年のロイヤルメドウカップ。加藤麗奈の今後のさらなる飛躍を期待させるとともに、ステップ・アップ・ツアーの面白さを改めてファンに示す大会となった。来年、この地でどのようなドラマが生まれるのか、今から期待は高まるばかりだ。

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