2025年JLPGAプロテスト合格者

藤本 愛菜プロのプロフィールやスポンサー、クラブセッティングなどを調査しました

藤本愛菜、18歳。岡山県・JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部で行われたJLPGA最終プロテスト。4日間にわたる極限のプレッシャーの中で、彼女は通算9アンダー、3位という堂々たる成績を収め、2026年シーズンからJLPGAの舞台に立つ資格を掴み取った。

彼女のプロテスト合格は、単なる「シンデレラーストーリー」として語られるべきではない。JGA(日本ゴルフ協会)ナショナルチームのメンバーであり、数々のアマチュアタイトルを手にしてきた 彼女にとって、この合格は「通過点」であり、エリートとしての「戴冠」である。

アマチュア時代の軌跡と「ジモト魂」

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彼女のゴルフを理解するためには、まずその人物像とルーツを深く知る必要がある。

基本プロフィールとゴルフの原点

藤本 愛菜Instagram

  • 氏名: 藤本 愛菜(ふじもと あいな)
  • 生年月日: 2007年2月23日
  • 出身地: 福岡県鞍手郡
  • 身長: 160cm
  • 血液型: O型
  • 出身校: 沖学園(福岡県)
  • ゴルフの原点: 10歳の時、父親の影響でゴルフを始める。
  • 得意クラブ: ウエッジ

特筆すべきは、彼女がゴルフ強豪校である沖学園出身であること、そして「得意クラブはウエッジ」と公言している点である。これは、現代のパワーゴルフ全盛の中で、彼女が精密なショートゲームを自身の武器として認識していることを示している。

強豪校での日々 と「二面性」

藤本愛菜の強靭なメンタリティは、アマチュア時代のストイックな日常によって育まれた。

彼女は、地元である福岡県小竹町から、ゴルフ強豪校の沖学園まで片道約1時間をかけて通学していた。朝練は6時半から始まるが、始発電車で向かっても間に合わず、彼女は7時から練習に参加するという日々を送った。「絶対にプロになる」という覚悟が、この過酷なルーティンを支えた。

沖学園ゴルフ部は30名を超える部員が在籍し、「みんなで上を目指して頑張っている」という高いレベルでの競争環境が、彼女をより強くさせた。

一方で、彼女は18歳らしい「静」の側面も持つ。インタビューでは落ち着いてしっかりと受け答えをするが、好きなものを聞かれると「ハンギョドン」のキャラクターが大好きだと語る、高校生らしい一面も併せ持つ。

また、彼女の原動力は「ジモト魂」にある。地元・小竹町の人々との交流を大切にしており、「(地元の)常連さんとかと仲いいのでトロフィーとかを持ってここに行きたい」と語る。彼女の壮大な夢である「プロになって賞金女王になること」は、この地元への恩返しと強く結びついている。

アマチュア時代の圧倒的な戦績

彼女が「エリート」と呼ばれる所以は、その輝かしい戦績にある。

  • 2022年:
    • 全国中学校ゴルフ選手権春季大会 優勝
    • 九州女子選手権 優勝
  • 2023年:
    • 国民体育大会 優勝
    • 日本女子アマチュアゴルフ選手権競技 2位タイ
  • 2025年:
    • アジアパシフィック女子アマチュアゴルフ選手権 9位(日本勢最上位)

この戦績は、単なる勝利の羅列ではない。2022年にまず「中学日本一」と「九州女王」というタイトルを制覇し、翌2023年には即座に「国体優勝」「日本女子アマ2位タイ」と、ナショナルレベルの頂点に手をかけている。

これは、彼女が各年代、各ステージにおいて体系的に「制覇」を成し遂げ、着実にステップアップしてきた証拠である。2025年には国際舞台であるアジア女子アマでも日本勢最上位に入り、その実力が国内に留まらないことを証明した。

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2024年の「挫折」と2025年の「結実」

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これほどの戦績を持つ藤本愛菜が、なぜ2025年までプロテスト合格を待たねばならなかったのか。その答えこそが、彼女を「最強のルーキー」たらしめる最大の要因である。

2024年の試練

アマチュアとして圧倒的な実績を積み上げた藤本愛菜は、2024年に最初のプロテストに挑戦した。しかし、結果は不合格。技術的にはJLPGAツアーで戦う力がありながら、彼女はプロテストという独特の重圧の前に「自分自身」を失った。

彼女はのちに、2024年のテストをこう振り返っている。「去年、自分で自分を崩した感じがあった」「気持ちで負けた」。

アマチュアゴルフが「いかに良いスコアを出すか」の競技であるのに対し、プロテストは「いかに落ちないか」というサバイバルである。このメンタルの違いが、彼女の技術を上回る壁となった。この「挫折」こそが、2025年の藤本愛菜を形成するすべての始まりであった。

名コーチ・辻村明志との出会い

2024年の失敗を、彼女は「技術」ではなく「気持ち」の問題であったと自己分析した。そして、その問題を解決するために、アマチュア選手としては異例とも言える、最も合理的な「最適解」を選択する。

上田桃子、吉田優利、そして当時の渋野日向子といったトッププロのメンタルと技術を支える、辻村明志コーチの門を叩いたのである。

奇しくも、藤本愛菜が憧れのプロとして名前を挙げていたのが、その辻村門下の上田桃子と吉田優利だった。彼女は、単に技術指導を仰いだのではない。自らの弱点を克服するための最高の指導者であり、かつ自らの憧れが実践する環境に、自ら飛び込んだのだ。

辻村コーチは、彼女に「技術うんぬんでなくて、もう”気持ち”なので!」と、メンタルファーストの哲学を叩き込んだ。スイングや技術だけでなく、心構えを徹底的に鍛え直した。

2025年最終プロテスト(JFE瀬戸内海GC)の激闘

1年間の鍛錬を経て、藤本愛菜は「別人」となってJFE瀬戸内海GCに戻ってきた。

  • 2日目: 通算5アンダーまでスコアを伸ばし、伊藤愛華と並ぶ2位タイに浮上。
  • 3日目: プレッシャーのかかるムービングサタデーに、2バーディ・ノーボギーの「70」をマーク。通算7アンダーの3位で最終日を迎え、「ショットも割とついてくれますし、いいパッティングも増えている」と、技術とメンタルの同調を実感していた。

そして、運命の最終日。彼女に2024年の悪夢が蘇る。

「前半はなかなかバーディーパットが入ってくれなくてずっと苦しかった。気持ちのコントロールがうまくいかなかった」。

2024年の彼女であれば、ここで「自分で自分を崩した」 かもしれない。だが、2025年の藤本愛菜は違った。耐え続けた後半、「11番のバーディーで吹切れて、そこからいいプレーができました」。

この11番のバーディーこそ、彼女がこの1年間で手に入れた「覚醒」の証明である。苦しい流れを自らの力で断ち切り、プレッシャー下で最高のパフォーマンスを発揮する。これこそが、辻村コーチと培った「気持ち」のコントロールが結実した瞬間だった。

2025年JLPGA最終プロテスト 最終結果

最終的に、藤本愛菜は通算9アンダーの単独3位でホールアウト。合格ラインがイーブンパー(E)であったことを鑑みると、彼女が単に「合格」したのではなく、9打差をつけて「圧勝」したことがわかる。

合格後の彼女の言葉は、自信と未来への決意に満ちていた。「一年間頑張ってきて、本当によかったと思います。来年、JLPGAツアーで戦えるようにQTで上位を目指します。将来はアメリカツアーで戦いたいので強い選手になっていきたいです」。

2025年JLPGA最終プロテスト 合格者(上位抜粋)

順位 最終スコア 選手名 国籍 備考
1T -15 伊藤 愛華 JPN トップ合格
1T -15 ジ・ユアイ CHI トップ合格
3 -9 藤本 愛菜 JPN JGAナショナルチーム
4 -7 倉林 紅 JPN
5 -6 田村 萌来美 JPN
T18 E (Even) 肥後 莉音 他 JPN 合格ライン (全22名)
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スポンサー契約とウェア

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藤本愛菜が2025年のプロテストで「覚醒」できた背景には、彼女のメンタル変革だけでなく、それを支える強固な「サポート体制」の存在がある。

スポンサー契約:ヤマエグループホールディングス

最も注目すべきは、所属契約の「タイミング」である。

2024年8月、藤本愛菜はヤマエグループホールディングス(福岡市)と、アマチュア選手として「所属契約」を締結した。この日付は、彼女が2024年のプロテストに失敗した「後」であり、2025年のテストに合格する「前」である。

通常、スポンサー契約(特に所属契約)は、プロ合格後や大きなタイトルを獲得した直後など、「キャリアの頂点」で結ばれることが多い。しかし、ヤマエグループHDは、彼女が「プロテスト失敗」というキャリアの谷にいた時期に、所属契約という最大の投資を決定した。

これは、同社が彼女の2024年の失敗を一時的なものと看破し、彼女の持つ技術と将来性を絶対的に信頼していたことの証左である。

契約時の彼女のコメント「まずはプロテストに合格しプロとして活躍しできるよう日々精一杯頑張ります」 には、自らを信じてくれたスポンサーへの強い決意が込められている。

この契約は、経済的な支援以上に、「自分はプロにふさわしい存在だ」という強力な精神的支柱となり、2025年の合格を後押しした最大の要因の一つと言える。

なお、同社は竹田麗央、小祝さくらといったトッププロとも契約しており、藤本愛菜はすでに日本トップクラスのサポート環境を手に入れている。

契約ゴルフウェアブランド

所属契約の発表時、ヤマエグループホールディングスは「今回の所属契約により、今後はヤマエグループのロゴ入りのキャップ・サンバイザー・ウェアを使用し、大会に出場いたします」と明記している。

これは、彼女が現時点で特定のアパレルブランド(例:Nike, Callawayなど)と専属契約を結んでいるわけではなく、所属先であるヤマエグループの「ユニフォーム」として提供されるウェアを着用していることを意味する。

これは竹田麗央選手ら、同社の他の所属プロと同様の体制であり、プロ転向後の2026年シーズンもこの体制が継続されるか、あるいは新たにアパレルブランドとの契約が発表されるか、注目される。

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クラブセッティング

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プロテスト合格直後の2025年11月現在、彼女の「プロ仕様」の体制はまだ移行期間にある。

クラブセッティング

現時点(2025年11月)で、彼女が2026年シーズンに使用する詳細なクラブセッティング(ドライバー、アイアン、パター等のメーカーやモデル名)に関する確定的な情報は公開されていない。

これは、プロ転向直後の選手にとって自然な状況である。プロテスト合格は「キャリアの始まり」であると同時に、「アマチュア時代の契約の終わり」を意味することが多い。彼女は今、2026年シーズンを戦うための最適なギアを選定し、大手メーカーと新たな使用契約を結ぶための「移行期間」にいる可能性が極めて高い。

しかし、彼女のゴルフの根幹を示す重要なデータがある。それは彼女の「得意クラブはウエッジ」という自己評価である。プロテスト3日目に見せたノーボギーの「70」 というスコアも、このショートゲームの精度が彼女のスコアメイクの基盤であることを裏付けている。

2026年、彼女がどのメーカーのウエッジとパターを選択するのか。それは、彼女のキャリアを占う上で、ドライバーの選択以上に重要な注目点となるだろう。

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2026年JLPGAを席巻する「最強ルーキー」の条件

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藤本愛菜は、2026年JLPGAツアーにおいて最も注目すべきルーキーであることは間違いない。彼女は、新人プロがツアーで成功するために必要な「3つの要素」を、18歳にして完璧に兼ね備えている。

  1. 証明済みの「技術」: 日本女子アマ2位、アジア女子アマ9位 という国内外のトップアマ経験と、ウエッジを基軸とした精密なゲームメイク能力。
  2. 証明済みの「精神的回復力」: 2024年の挫折を、辻村コーチと共に乗り越え、2025年のプロテスト最終日にメンタルコントロールを実証した「雪辱のストーリー」。
  3. 万全の「サポート体制」: ヤマエグループHDという強力なスポンサーと、トッププロを育成する辻村コーチという、勝利のための「インフラ」。

彼女の当面の目標は、プロテスト合格者として出場権を得たQT(クォリファイングトーナメント)で上位に入り、2026年のJLPGAレギュラーツアー出場権を獲得することである。

だが、彼女の視線はすでにはるか先を見据えている。

「将来はアメリカツアーで戦いたい」。

2024年の「涙」を、2025年の「覚悟」に変えた18歳。福岡の「ジモト魂」を胸に抱く藤本愛菜が、自らの夢である「賞金女王」を実現する日は、我々の想像よりも早く訪れるかもしれない。

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