ゴルフコンペや週末のラウンドで、「本日はプリファードライを採用します」というアナウンスを聞いたことはありませんか?
「プリファードライって何?」「ボールを動かしていいの?」「どの範囲までOKなんだろう?」と、具体的なルールや処置の方法が分からず、戸惑ってしまった経験を持つゴルファーは少なくないはずです。
特に悪天候の後や、コースコンディションが悪い日には、このルールを知っているかどうかでプレーのスムーズさや、時にはスコア自体にも大きな影響が出てしまいます。
ラフでも使えるのか、それともフェアウェイだけなのか、曖昧な理解のままプレーを続けるのは不安ですよね。
ご安心ください。この記事では、そんなゴルフ初心者の方や、ルールを再確認したいアマチュアゴルファーのために、プリファードライの基本的な意味から正しい処置の方法、適用される条件やエリアまで、詳しく解説していきます。
この特別なローカルルールを正しく理解するだけで、不利な状況を公平に救済し、悪コンディションの中でも自信を持ってプレーできるようになります。
結果として、スムーズなプレー進行とスコアアップにも繋がるはずです。
プリファードライの基本を徹底理解
image : golf-item-box- プリファードライとは?ゴルフ用語の意味を解説
- 【基本ルール】適用される条件とエリア
- 正しいボールのプレース方法(6インチ?1クラブ?)
- 「リフト・クリーン・アンド・プレース」との違い
- ローカルルール採用時の確認事項
- プリファードライがスコアに与える影響
プリファードライとは?ゴルフ用語の意味を解説
- 特定の条件下でボールを拾い上げ、拭いて、置き直せるルール。
- 主にフェアウェイなど芝が刈られたエリアに適用される。
- ゴルフ場や競技委員会が「ローカルルール」として設定する。
プリファードライとは、ゴルフコースのコンディションが悪い時に、プレーヤーが過度な不利益を被らないよう救済するために設けられる特別な「ローカルルール」の一つです。
この用語を聞き慣れない方もいるかもしれませんが、アマチュアゴルファーのラウンドでは比較的よく採用されます。
例えば、前日の大雨でフェアウェイがぬかるんでいたり、地面が柔らかくてボールに泥がつきやすかったりする状況を想像してみてください。
ボールに泥がべったりと付着した状態でショットを打つと、ボールの重さや空力特性が変わり、スピンがかからなくなったり、予期せぬ方向に飛んでいったりします。
これはプレーヤーの技術とは関係ない部分での大きなハンディキャップとなってしまいます。
こうした不公平な状況を是正し、プレーヤーが本来のパフォーマンスを発揮できるよう、「プリファード(好ましい)ライ」でプレーすることを許可するのが、このルールの目的です。
具体的には、特定のエリア(通常はフェアウェイ)にあるボールを、罰なしに拾い上げて、泥や水分を拭き(クリーン)、元の位置から一定の範囲内に置き直す(プレース)ことが認められます。
あくまで「ローカルルール」であるため、ゴルフの公式規則(本則)として常に適用されるものではありません。
ゴルフ場や競技委員会が、その日のコースコンディションを判断して「本日はプリファードライを採用します」と宣言した場合にのみ、プレーヤーはこの救済処置を受けることができます。
そのため、スタート前にクラブハウスの掲示板などで、ローカルルールの採用状況を確認することが非常に重要になります。
このルールを正しく理解し活用することで、悪コンディションの中でもストレスなくプレーを進めることが可能になります。
【基本ルール】適用される条件とエリア
- 「ジェネラルエリア」内の「フェアウェイの芝の高さ、またはそれ以下に刈られた区域」が対象。
- ラフ、バンカー、ペナルティエリア(ウォーターハザード)は基本的に適用外。
- ゴルフ場やコンペのローカルルールで適用範囲が明記される。
プリファードライが適用されるのは、コース内の特定のエリアに限られます。この「適用エリア」を正確に理解しておくことが、ルール違反を避けるために最も重要です。
ゴルフ規則(JGAのローカルルール雛形)によれば、プリファードライが適用されるのは、原則として「ジェネラルエリア内にある、フェアウェイの芝の高さ、またはそれ以下に刈られた区域」と定められています。
「ジェネラルエリア」とは、ティーイングエリア、バンカー、ペナルティエリア(赤杭や黄杭で示されるウォーターハザードなど)、そしてグリーンを除いたコースのすべての場所を指します。
つまり、基本的にはフェアウェイや、フェアウェイ周りのカラー部分などが対象となると理解してよいでしょう。
ここで最大の注意点は、ラフは適用外であるということです。
ボールがフェアウェイにあれば泥を拭いてプレースできますが、たとえ数センチでもラフに入ってしまったボールは、どれだけライが悪くても「あるがまま」の状態でプレーしなければなりません。
もちろん、バンカーやペナルティエリア(ウォーターハザード)内にあるボールもプリファードライの対象外です。
このルールはあくまで「芝が短く刈られた場所」でのコンディション不良を救済する目的で設定されています。
ただし、これはあくまで標準的な規定です。
ゴルフ場やコンペのローカルルールによっては、まれに「ジェネラルエリア全域(ラフを含む)」を対象とすることもあります。
しかし、これは例外的なケースであり、一般的には「フェアウェイ(および同等に刈られたエリア)のみ」と覚えておくのが安全です。
当日のローカルルールで「適用エリア」がどのように明記されているかを、スタート前に必ず確認する習慣をつけましょう。
正しいボールのプレース方法(6インチ?1クラブ?)
- ボールの位置をマークしてから拾い上げるのが必須。
- 動かせる範囲はローカルルールで指定される(6インチ、1クラブレングスなど)。
- プレース(置く)であり、ドロップ(落とす)ではない。
プリファードライが適用されるエリアでボールが見つかった場合、正しい手順で処置を行う必要があります。
この手順を間違えるとペナルティの対象となる可能性もあるため、正確に覚えておきましょう。
まず、最も重要なことは、ボールを拾い上げる前に、必ずそのボールの元の位置をマークすることです。
ティーやボールマーカーをボールの直後または直前に置いて、位置を明確にします。マークせずにボールを拾い上げると、1罰打となります。
次に、マークした後にボールを拾い上げ、付着した泥や芝、水分を拭き取ります(クリーン)。
そして、ボールを「プレース(置く)」します。この時、動かせる範囲はローカルルールによって定められています。
最も一般的なのは「6インチ(約15.24cm)」以内です。また、コンディションがより悪い場合は「1クラブレングス」以内とされることもあります。
「1クラブレングス」とは、プレーヤーがそのラウンドで使用しているクラブ(ドライバーを除く最も長いクラブ、通常は3番ウッドやユーティリティ)の長さが基準となります。
この指定された範囲内(6インチまたは1クラブレングス)で、かつ元の位置よりホールに近づかない場所に、ボールを手でそっと置きます。これが「プレース」です。
膝の高さから落とす「ドロップ」とは異なりますので、絶対に間違えないように注意してください。
プレースする場所は、元のライよりも明らかに良いライ(例えば、へこみから平らな場所へ)を選ぶことができますが、すべては指定された範囲内で行う必要があります。
正しくプレースしたボールが、風や傾斜などの自然の力で動いた場合は、罰なしにその動いた位置からプレーを続行します。
この一連の動作(マーク、リフト、クリーン、プレース)を正しく実行することが、プリファードライの核心です。
「リフト・クリーン・アンド・プレース」との違い
- プリファードライは「リフト・クリーン・アンド・プレース」を許可するローカルルール。
- 「リフト・クリーン・アンド・プレース」は拾い上げて拭いて置き直す行為の総称。
- 両者はほぼ同義で使われることが多い。
ゴルフ用語として、「プリファードライ」と「リフト・クリーン・アンド・プレース(Lift, Clean and Place)」は非常に似ており、しばしば混同されがちです。
両者の関係性を理解しておくと、ルールの意図がより明確になります。
まず、「リフト・クリーン・アンド・プレース」とは、その言葉の通り「ボールを拾い上げ(Lift)、拭き(Clean)、置き直す(Place)」という一連の動作そのものを指すゴルフ用語です。
ゴルフの大原則は「ボールはあるがままの状態でプレーする」ことですので、この動作は通常、規則で認められた場合(例えば、グリーン上でマークする時など)以外は許されません。
一方、「プリファードライ」は、この「リフト・クリーン・アンド・プレース」という動作を、コースコンディションが悪いためにローカルルールとして特別に許可すること、またはそのルール自体を指します。
つまり、ゴルフ場や競技委員会が「本日はプリファードライを採用します」と告知した場合、それは「(指定されたエリアにおいて)リフト・クリーン・アンド・プレースの処置を罰なしに許可しますよ」という意味になるのです。
「プリファードライ」は「好ましいライ」という意味合いも持ち、このルールを適用することでプレーヤーがより良いライから打てるようになる状態を示すこともあります。
実際のアマチュアのラウンドやコンペでは、両者はほぼ同義語として使われることが多いです。
「プリファードライOK」も「リフト・クリーン・アンド・プレースOK」も、「ボールを拭いて置き直して良い」という救済処置が認められたと解釈して問題ありません。
重要なのは、用語の違いを細かく覚えることよりも、その日にどのエリアで、どの範囲までプレースすることが許されているかを正確に把握することです。
ローカルルール採用時の確認事項
- スタート前に必ずローカルルール(掲示板やマスター室)を確認する。
- 「いつまで」(期間)、「どこで」(適用エリア)、「どの範囲」(6インチか1クラブか)を確認する。
- カジュアルウォーター(一時的な水たまり)の救済とは別物。
プリファードライは、ゴルフ場や競技委員会が独自に定めるローカルルールです。
そのため、その内容はゴルフ場ごと、あるいはコンペごとに異なる可能性があります。思い込みでプレーしてルール違反とならないよう、プレー当日の確認が不可欠です。
スタート前には、クラブハウスの掲示板やマスター室前、スタート室周辺に掲示されている「ローカルルール」または「競技の条件」を必ずチェックしましょう。
ここで確認すべき重要なポイントは、主に以下の3点です。
1つ目は「適用期間」です。その日限りなのか、それとも悪天候が続く間(例えば「今週いっぱい」など)適用されるのかを確認します。
2つ目は、最も重要な「適用エリア」です。前述の通り、「フェアウェイの芝の高さ、またはそれ以下に刈られた区域」が一般的ですが、「ジェネラルエリア全域」など範囲が拡大されている可能性もゼロではありません。
ラフで使えるのかどうかは、ここで明確に確認する必要があります。
3つ目は「プレースできる範囲」です。「6インチ(シックスインチ)」なのか、「1クラブレングス」なのかによって、救済の度合いが大きく変わります。
この3点を正確に把握しておくことで、自信を持って処置を行うことができます。
また、プリファードライと混同しやすいのが「カジュアルウォーター(一時的な水たまり)」からの救済です。
カジュアルウォーターの救済は、プリファードライが採用されていなくても、スタンスやボールがかかる場合に受けられるゴルフ規則(本則)上の救済です。
こちらは「プレース」ではなく「ドロップ」による処置が基本となります。(詳しくはカジュアルウォーターの正しい処置方法をご覧ください)
プリファードライは、水たまりがなくても、ぬかるみや泥に対応するための特別なローカルルールであると区別して理解しましょう。
プリファードライがスコアに与える影響
- 泥や水分を取り除け、理想的なライから打てるため有利になる。
- スピンコントロールがしやすくなり、ミスショットが減る。
- 精神的な安心感が生まれ、積極的なプレーにつながる。
プリファードライのルールを正しく活用することは、アマチュアゴルファーのスコアメイクに非常に良い影響を与えます。
最大のメリットは、何と言ってもボールに付着した泥や水分をきれいに取り除ける点です。
ゴルフボールは、表面のディンプル(くぼみ)によって揚力とスピンを生み出し、飛距離と方向性をコントロールしています。
ボールに泥が付着すると、このディンプルの効果が失われ、スピン量が極端に減ったり(フライヤー)、逆に予期せぬスピンがかかって左右に大きく曲がったりします。
特にアイアンショットやアプローチにおいて、これは致命的なミスにつながります。
プリファードライが適用されれば、ボールを常にクリーンな状態に保つことができます。
さらに、指定された範囲内(6インチや1クラブレングス)で、元の位置よりも良好なライ(例えば、少し芝の薄い場所から芝の生えそろった場所へ)を選んでプレースできます。
これにより、ダフリやトップといったミスヒットのリスクが大幅に軽減されます。
クリーンなボールを、良好なライから打てる。これは、スピンコントロールが安定し、ショットの精度が格段に上がることを意味します。
また、「泥がついているかもしれない」「ライが悪い」という精神的な不安が取り除かれることも大きなメリットです。
思い切ったスイングができるようになり、結果としてナイスショットが増え、悪コンディションの中でもスコアをまとめやすくなるのです。
プリファードライの実践と注意点
image : golf-item-box- 悪天候やコースコンディションが悪い時の適用
- 競技ゴルフ(コンペ)での採用状況
- ラフやハザード(ウォーター)での適用は?
- もしプリファードライの処置を間違えたら
- 初心者・アマチュアが知っておくべきマナー
- FAQ(よくある質問)
悪天候やコースコンディションが悪い時の適用
- 悪天候(雨、雪)の後、コースがぬかるんでいる時に採用されやすい。
- 芝の保護やプレーのスムーズな進行も目的の一つ。
- 「カジュアルウォーター」とは異なり、水たまりがなくても適用される。
プリファードライが採用されるのは、どのような状況なのでしょうか。
最も一般的なのは、大雨や長雨、あるいは雪解けの後など、悪天候によってコースコンディションが著しく悪化したとゴルフ場側が判断した場合です。
特にフェアウェイは水はけが悪かったり、低くなっている場所に水が溜まりやすかったりします。
地面がぬかるみ、ボールが芝に沈み込んだり(いわゆる「突き刺さった」状態)、打つたびにボールが泥だらけになったりする状況です。
このようなコンディションでは、プレーヤーが技術とは無関係な不利益を被るだけでなく、別の問題も発生します。
それは、コースの芝を大きく傷つけてしまうリスクです。
ぬかるんだ場所から無理にショットを打つと、ターフ(切り取られる芝)が通常よりもはるかに大きく、深くえぐれてしまい、コースの回復に時間がかかってしまいます。
また、ボールが泥に埋まって見つけにくくなったり(ロストボール)、処置に悩んで時間がかかったりすることで、プレーのスムーズな進行(プレーファスト)が妨げられる原因にもなります。
そこでゴルフ場側は、プレーヤーの救済、コースの保護、そしてプレー時間の短縮という複数の目的から、ローカルルールとしてプリファードライの採用を決定するのです。
前述の通り、これはコース上に目に見える水たまり(カジュアルウォーター)がなくても、広範囲にわたって地面が柔らかく、プレーに支障が出ると判断された場合に適用されます。
冬場などで芝が枯れている時期に採用されることもあり、これは芝の保護を主目的としている場合が多いです。
競技ゴルフ(コンペ)での採用状況
- アマチュアのコンペでは、スムーズな進行のため積極的に採用されることが多い。
- 公式な競技では、コースコンディションが本当に悪い場合にのみ採用される。
- 採用の有無や詳細は、競技規則や当日のローカルルールで必ず告知される。
プリファードライの採用状況は、そのゴルフイベントの性格によって大きく異なります。
プロのトーナメントや、国体予選、選手権クラスの公式なアマチュア競技ゴルフにおいては、「ボールはあるがままの状態でプレーする」というゴルフの大原則が厳格に守られます。
そのため、よほどコースコンディションが悪化し、公正なプレーが困難であると競技委員会が判断しない限り、プリファードライは採用されません。
しかし、私たちが一般的に参加する企業のコンペや、友人同士のプライベートコンペ、ゴルフ場の月例杯など、多くのアマチュアが参加するイベントでは事情が異なります。
これらのコンペでは、参加者のゴルフスキルやルール知識も様々です。
もし悪コンディションの中で「あるがまま」を厳格に適用すると、ミスショットが多発し、ボール探しに時間がかかり、著しいスロープレーを引き起こす可能性があります。
コンペの主な目的が「親睦」や「楽しむこと」である場合、進行の遅れはイベント全体の満足度を下げてしまいます。
そのため、多くのアマチュアコンペでは、プレーのスムーズな進行を優先し、また参加者に公平に良いコンディションでプレーしてもらうため、比較的積極的にプリファードライが採用される傾向にあります。
コンペに参加する際は、スタート前に競技委員や主催者から発表される「競技規則」や「当日のローカルルール」の説明をしっかりと聞き、プリファードライが採用されているか、その条件(エリアと範囲)はどうなっているかを正確に把握しておくことが非常に重要です。
ラフやハザード(ウォーター)での適用は?
- 原則としてラフ、バンカー、ペナルティエリア(ウォーターハザード)では適用されない。
- 対象は「フェアウェイの芝の高さ、またはそれ以下に刈られた区域」。
- 例外的にローカルルールで拡大適用される場合もあるが、稀である。
プリファードライのルールを適用する上で、最も多くのゴルファーが疑問に思う、あるいは間違えやすいのが「ラフ」での扱いです。
結論から言うと、原則としてラフではプリファードライは適用されません。
日本ゴルフ協会(JGA)が推奨するローカルルールの雛形(ひながた)では、プリファードライ(リフト・クリーン・アンド・プレース)の適用エリアを「ジェネラルエリアの、フェアウェイの芝の高さ、またはそれ以下に刈られた区域」と明確に定めています。
ラフは「フェアウェイの芝の高さよりも長く刈られた区域」ですので、この定義から外れます。
したがって、ボールがフェアウェイにあれば泥を拭いてプレースできますが、たとえボールがひどい泥だらけであっても、それがラフの中にあれば、プレーヤーは「あるがまま」の状態でプレーを続けなければなりません。
これは、ゴルフというスポーツが「ハザード(障害)を避け、フェアウェイをキープすること」を競うゲームであるという本質に基づいています。
フェアウェイに打った選手だけが救済を受けられる、というのは公平なルールと言えるでしょう。
もちろん、バンカーや、赤杭・黄杭で示されるペナルティエリア(ウォーターハザード)もジェネラルエリアではないため、適用外です。(ペナルティエリア内の処置は、ペナルティエリアの規則に従います)
ただし、ゴルフ場やコンペのローカルルールで、「ジェネラルエリア全域(ラフを含む)」を適用対象としている場合も、稀にですが存在します。
これはコース全体のコンディションが極端に悪い場合などに限られます。
しかし、そのような特別な告知がない限りは、「プリファードライはフェアウェイのみ」と理解しておくことが、ルール違反を避けるための最も安全な認識です。
もしプリファードライの処置を間違えたら
- 許可されていない場所(ラフなど)でプレースすると「誤所からのプレー」となる。
- プレースの範囲(6インチなど)を超えてもルール違反。
- 重大な違反でなければ2罰打、重大な違反の場合は競技失格の可能性も。
プリファードライはプレーヤーを助ける救済ルールですが、その条件や処置の方法を誤ると、ゴルフ規則に基づくペナルティが科されることになります。
最も重大な間違いは、適用エリア外での処置です。
例えば、適用エリアが「フェアウェイのみ」とされているにもかかわらず、ラフにあるボールを拾い上げてプレースしてしまった場合、それは「誤所(ごしょ)からのプレー」という重大なルール違反にあたります。
この場合、2罰打が科されます。
さらに、その誤りに気づかずにプレーを続け、次のホールのティーショットを打ってしまった場合、重大な違反とみなされ「競技失格」となる可能性が極めて高いです。
また、適用エリア内であっても、処置の方法を間違えた場合もペナルティの対象です。
ボールを拾い上げる前にマークしなかった場合は、1罰打となります。
指定された範囲(例:6インチ)を明らかに超えて、より有利なライ(例:1クラブレングス先)にプレースした場合も「誤所からのプレー」となり、2罰打が適用されます。
プレースすべきところを誤ってドロップしてしまった場合も、罰なしに再プレースしなければならず、そのままプレーすると誤所からのプレーとなります。
プリファードライは便利なルールですが、それだけに適用条件(エリア)と処置方法(マーク、範囲、プレース)を正確に理解し、実行することが、自分のスコアを守る上で非常に重要です。
少しでも疑問に思ったら、同伴者や競技委員に確認しましょう。
初心者・アマチュアが知っておくべきマナー
- プリファードライは「救済」であり、「スコアを良くするためのズル」ではない。
- 処置は速やかに行い、スロープレーの原因にならないよう注意する。
- 同伴プレーヤーにも確認し、疑問があれば競技委員を呼ぶ。
プリファードライは、特にゴルフ初心者やアマチュアゴルファーにとって、悪コンディションのゴルフを助けてくれる非常にありがたいルールです。
しかし、このルールを利用する際には、スコアだけでなくゴルファーとしてのマナーも問われます。
まず心に留めておくべきは、このルールはあくまでコンディション不良による不公平をなくすための「救済」であり、「スコアを意図的に良くするためのズル」ではない、ということです。
許可された範囲内(例:6インチ)で、元の位置よりわずかに良いライを選ぶことは認められています。
しかし、その範囲内で完璧なライを求めて過度に時間をかけたり、芝の状態を細かく吟味したりする行為は、スロープレーの原因となり、同伴プレーヤーや後続の組に迷惑をかけます。
ボールを拭き、元の位置から指定された範囲内に、常識的な時間で速やかにプレースすることが求められます。
特にカジュアルなラウンドであっても、プリファードライを適用してボールをマークし、拾い上げる際は、「ボール拭きますね」などと同伴者に一声かけるのが望ましいマナーです。
これは、同伴者に自分の行動を明確に伝え、無用な誤解を避けるためです。(詳しくはスロープレー防止のコツもご覧ください)
コンペなどで処置に迷った場合は、決して自己判断してはいけません。
「この場合はどう処置するのが正しいですか?」と、同伴プレーヤーやマーカー(スコア記録者)に確認するか、競技委員の判断を仰ぐのが正しいマナーであり、ルール違反を防ぐ最善の方法です。
プリファードライの恩恵を受ける際は、感謝の気持ちを持ち、迅速かつ謙虚に行動することを心がけましょう。
FAQ(よくある質問)
- Q1. プリファードライの「6インチ」はどこから測る?
- Q2. プレースしたボールが動いたら?
- Q3. 冬の芝が薄い時も適用される?
プリファードライに関して、初心者やアマチュアゴルファーからよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. プリファードライの「6インチ」や「1クラブレングス」はどこから測る?
A1. 救済エリアの範囲を測る基点は、必ず「ボールが元々あった位置」です。
ボールを拾い上げる前にマークした場所(マーカーの真上)が基点となります。
そこから6インチ(または1クラブレングス)の範囲内で、かつホールに近づかない場所にプレースする必要があります。
元の位置から6インチ離れた場所を新たな基点として、そこからさらに6インチ動かせるわけではありません。
Q2. プレースしたボールが風や傾斜で動いたらどうなる?
A2. ルールに従って正しくボールをプレースした後、プレーヤーがアドレス(スタンス)をとる前や、とった後であっても、ボールが風や傾斜などの「自然の力」で動いた場合は、罰はありません。
その場合は、動いた先の新しい位置からボールをプレーしなければなりません。元の位置に戻すことはできません。
ただし、プレースしたボールがその場に止まらず、何度も転がり出てしまう場合は、元の位置から最も近く、ホールに近づかない、ボールが止まる場所にプレースし直します。
Q3. 冬場で芝が薄い「ベアグラウンド」の時も適用される?
A3. 冬場で芝が枯れて薄くなり、地面が露出している「ベアグラウンド」は、それ自体がプリファードライの適用理由には通常なりません。
プリファードライは、主に雨やぬかるみによる「異常なコースコンディション」を救済するためのものです。
芝が薄いのは、そのコースの通常のコンディション(あるいは修理地)として扱われます。
ただし、ゴルフ場がローカルルールとして「ベアグラウンド(土の上の)ボールは、6インチ以内にプレースできる」といった特別な救済措置を設けている場合は、それに従います。
これもスタート前のローカルルール確認が重要です。
まとめ:プリファードライを正しく理解してスコアアップ
プリファードライについて、その意味から正しい処置、注意点まで解説してきました。
- プリファードライとは: コースコンディションが悪い時、主にフェアウェイでボールを拭いて置き直せる「ローカルルール」。
- 適用エリア: 原則として「フェアウェイの芝の高さ、またはそれ以下に刈られた区域」。ラフやバンカーは対象外。
- 正しい処置: 1. ボールの位置をマーク → 2. 拾って拭く → 3. 指定範囲(6インチや1クラブ)内にプレース(ドロップではない)。
- 注意点: 処置は速やかに行い、スロープレーに注意。適用エリアや範囲を間違えるとペナルティ(誤所からのプレー)。
- 重要事項: スタート前に必ずローカルルールを確認し、「適用エリア」と「プレース範囲」を把握すること。
このルールは、悪天候の中でもプレーヤーが公平にプレーできるよう助けてくれるものです。
ルールを正しく理解し、マナーを守って活用することで、無用なペナルティを避け、スムーズなプレーとスコアアップにつなげましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
「プリファードライ」って、言葉は聞いたことがあっても、いざ「ラフでもいいの?」「どうやって置くの?」と聞かれると自信がなかった方も多いのではないでしょうか。
私も昔、コンペでラフの泥だらけのボールをどうしようか迷い、同伴者に「ラフはダメだよ!」と教えてもらって冷や汗をかいた経験があります。
この記事が、皆さまのそんな不安を解消し、特に雨上がりのゴルフでも自信を持ってプレーするための一助となれば幸いです。
ルールを味方につけて、どんなコンディションでもゴルフを楽しんでくださいね!


