- アマチュア時代から全国大会で優勝や上位入賞を果たした実力者
- 2023年にプロテスト合格、2024年には複数のレギュラーツアーで上位入賞
- QTファイナル9位で、2025年シーズンはレギュラーツアーを主戦場に
Contents
プロフィール

北海道での土台作りとジュニア時代の成功
政田夢乃は2000年7月28日、北海道札幌市に生を受けた 。ゴルフとの出会いは3歳の時、父と練習場に行ったことがきっかけだった。プロゴルファーを目指す明確なきっかけとなったのは、幼い頃に観戦した試合で、憧れの宮里藍プロからボールをもらった経験だという 。
北海道という土地柄、冬期間は積雪によりゴルフコースがクローズされることが多く、芝の上からの練習機会は限られる 。こうした環境は、ゴルファーにとってハンディキャップとなり得るが、政田はこれを逆境と捉えず、精神的な強さを培う糧としてきたのかもしれない。
その才能は早くから開花し、ジュニア時代には輝かしい成績を収めている。小学時代からジュニア大会で優勝を重ね、中学2年生時の2014年には「全国中学校ゴルフ選手権」で優勝 。さらに高校2年生時の2017年には「全国高等学校ゴルフ選手権」を制覇した 。特筆すべきは、同世代に古江彩佳、吉田優利、安田祐香といった、後に「プラチナ世代」と呼ばれるトッププレーヤーたちがひしめく中での全国タイトル獲得であり、彼女の実力の高さを物語っている 。身長154cmとプロゴルファーとしては小柄ながら 、卓越した技術と精神力で世代のトップレベルに名を連ねていた。
5度目の挑戦と掴んだ夢
輝かしいジュニア時代の実績とは対照的に、プロへの道は平坦ではなかった。高校卒業後からプロテストに挑戦するも、合格には至らず、2023年、実に5度目の挑戦でついに合格を掴み取った 。JLPGA96期生として、長年の夢であったプロゴルファーとしてのキャリアをスタートさせたのである。
プロテスト合格に至る過程で、彼女の成長を支えたのが、2021年から参戦していた「マイナビネクストヒロインゴルフツアー」である。このツアーで実戦経験を積み、2023年シーズンには年間4勝を挙げる活躍を見せた。この経験が、プロテスト合格への大きな足掛かりとなったことは間違いない。
ジュニア時代の早期の成功と、プロテストでの複数回にわたる挑戦という対照的な経験は、彼女のゴルフ人生における重要な物語である。北海道の厳しい冬やプロテストのプレッシャーといった逆境を乗り越え、最終的に夢を掴んだ彼女の歩みは、座右の銘である「夢けがれなく道進むべし」という言葉を体現しているかのようだ。この経験が、彼女の粘り強いプレーの根幹を成しているのかもしれない。
飛躍のシーズン:2024年のハイライト
プロ1年目となった2024年シーズン、政田は目覚ましい活躍を見せた。QTランキング147位という、レギュラーツアーへの出場機会が限られる順位からのスタートだったが、与えられたチャンスを確実に活かし、驚異的な適応能力を発揮した。
シーズン序盤から推薦出場などで得た機会で結果を残し、リランキングで出場資格を得ると、その勢いは加速。8月の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」では優勝争いを演じ、最終的に2位タイフィニッシュ。その後も「ニトリレディスゴルフトーナメント」4位タイ、「ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント」8位タイ、「大王製紙エリエールレディスオープン」7位タイと、トップ10フィニッシュを重ねた。特に「大王製紙エリエールレディスオープン」では最終日最終組を経験し、トッププロとしての存在感を強く印象付けた。
この活躍により、シーズン終了後のQTファイナルステージでは9位に入り、2025年シーズンのJLPGAツアー前半戦の出場権を獲得。マイナビネクストヒロインゴルフツアーでの勝利経験が、より高いレベルのJLPGAツアーでも通用する実力と精神力を養っていたことを証明した形だ。下部ツアーでの成功体験を、限られた出場機会の中で即座にレギュラーツアーの結果に結びつけたことは、彼女の高い適応能力と勝負強さを示している。
人物像とプレースタイル
コース外では、食べることや野球観戦が好きだと語る一面も持つ。長距離を一般道だけで運転して移動したというエピソードからは、マイペースながらも根性のある性格がうかがえる 。クラブセッティングの好みからは、コントロールを重視し、特に左へのミスを嫌うプレースタイルが垣間見える。
ゴルフ歴と主な戦績
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ゴルフ歴: 3歳からゴルフを始めました。
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アマチュア時代の主な戦績:
- 2012年: 北海道ジュニアゴルフ選手権 11歳以下の部 優勝
- 2017年: 全国高等学校ゴルフ選手権 優勝
- 2018年: 日本ジュニアゴルフ選手権 15~17歳の部 2位
- 2024年: リゾートトラストレディス 8位タイ
- 2024年: NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 2位タイ
- 2024年: ニトリレディスゴルフトーナメント 4位タイ
2023年最終プロテスト結果
順位 | SCORE | 合計 | 1R | 2R | 3R | 4R |
---|---|---|---|---|---|---|
15T | -6 | 282 | 73 | 68 | 68 | 73 |
クラブセッティング
2025年5月現在。
ドライバー
キャロウェイ ELYTE ◆◆◆ (9度) / PARADYM Ai SMOKE ◆◆◆ (10.5度) 。小型で低スピン性能を持つヘッドを好み、初速性能を評価している。さらにスピン量を抑えるため、ソール前方に鉛を貼る調整も行っている。シャフトは、三菱ケミカル ディアマナ BF (50g台, SR) を継続使用しており、振り慣れた感覚を重視している。
フェアウェイウッド
キャロウェイ ELYTE (3W 15度) 、キャロウェイ PARADYM Ai SMOKE ◆◆◆ (5W 18度) 。3番ウッドはELYTEにスイッチし、拾いやすさと球の上がりやすさを評価 。5番ウッドはPARADYM Ai SMOKE ◆◆◆を継続。シャフトはドライバー同様、ディアマナ BF (60g台, SR) を使用 。コースによっては3番か5番のどちらかを抜くこともあるという 。
ユーティリティ
キャロウェイ MAVRIK MAX (4H 21度, 5H 24度, 6H 27度) 。シャフトは三菱ケミカル FUBUKI AX h350 (S) 。特筆すべき点として、最新モデル(Ai SMOKEなど)もテストした上で 、比較的古いモデルであるMAVRIK MAXを使い続けている。これは、彼女がユーティリティに「やさしさ」を求めており、このモデルへの信頼が厚いことを示唆している。小ぶりなヘッドだとミスが出やすいと感じているため、この選択をしているようだ。
アイアン
キャロウェイ X FORGED (2024年モデル) (6番~PW) 。シャフトは日本シャフト N.S.PRO 850GH (S) 。操作性と打感を兼ね備えた軟鉄鍛造モデルを好む。左へのミスを嫌い、小ぶりなヘッド形状を好む彼女にとって、意図通りにコントロールできる点が重要視されている。
ウェッジ
キャロウェイ OPUS (50度, 54度, 58度) 。シャフトは日本シャフト N.S.PRO 950GH (S)。2025年シーズンから、JAWS FORGEDに代わり、ツアープロからの評価も高いOPUSウェッジを導入。ソールの抜けの良さと構えやすさを評価している 。コースセッティングによっては54度を抜くこともある 。
パター
オデッセイ AI-ONE JAILBIRD MINI DB。特徴的な縦のアライメントラインが真っすぐ構えやすい点と、ソフトな打感が距離感に合う点を気に入っている。
ボール
キャロウェイ CHROME TOUR X (2024年モデル)。以前はCHROME SOFTXを使用していた。
政田のクラブセッティングは、全体としてコントロール性を重視しつつ、特定の番手(特にユーティリティ)では安心感や信頼感を優先するという、非常にパーソナルな構成となっている。低スピン系のドライバーや操作性の高いアイアンを選択する一方で、ユーティリティではあえて最新モデルではなく、慣れ親しんだやさしいモデル(MAVRIK MAX)を使い続ける点は、彼女のギア選びにおける明確なこだわりを示している。これは、おそらく長い距離のショットにおいて、安定性と信頼性を最優先しているためだろう。
また、ウェッジを最新のOPUSモデルへと移行した点は、契約プロとしてメーカーの最新テクノロジーを取り入れ、常にパフォーマンス向上を目指す姿勢の表れと言える。スピン性能や様々なライからの抜けの良さなど、最新モデルの恩恵をショートゲームに活かそうという意図がうかがえる。
クラブ種類 | メーカー | モデル | ロフト/番手 | シャフト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
ドライバー | キャロウェイ | ELYTE ◆◆◆ | 9度 | Diamana BF 50 SR | 低スピンヘッド。ソールに鉛調整あり |
FW | キャロウェイ | ELYTE | 3W (15度) | Diamana BF 60 SR | |
FW | キャロウェイ | PARADYM Ai SMOKE ◆◆◆ | 5W (18度) | Diamana BF 60 SR | コースにより3Wか5Wを抜く場合あり |
UT | キャロウェイ | MAVRIK MAX | 4H (21度) | Fubuki AX h350 S | 旧モデルを継続使用 |
UT | キャロウェイ | MAVRIK MAX | 5H (24度) | Fubuki AX h350 S | 旧モデルを継続使用 |
UT | キャロウェイ | MAVRIK MAX | 6H (27度) | Fubuki AX h350 S | 旧モデルを継続使用 |
アイアン | キャロウェイ | X FORGED (2024) | 6I – PW | N.S.PRO 850GH S | |
ウェッジ | キャロウェイ | OPUS | 50度 | N.S.PRO 950GH S | 2025年からJAWS Forgedより変更 |
ウェッジ | キャロウェイ | OPUS | 54度 | N.S.PRO 950GH S | コースにより抜く場合あり |
ウェッジ | キャロウェイ | OPUS | 58度 | N.S.PRO 950GH S | |
パター | オデッセイ | AI-ONE JAILBIRD MINI DB | – | – | アライメントと打感を重視 |
ボール | キャロウェイ | CHROME TOUR X (2024) | – | – |
スポンサー契約
- 所属:なないろ生命
- callaway
- 安藤ハザマ
- サッポロドラッグストアー
- 川崎近海汽船
- ホンダカーズ南札幌
- 株式会社ロッテ
契約ゴルフウェアブランド
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2025年 出場試合スケジュール
2025年のシーズンは、QTファイナルステージ9位でレギュラーツアーが主戦場となります。

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総括:実力と経験を兼ね備えた注目のレギュラーツアールーキー
- 3歳からゴルフを始めた早熟型で、ジュニア時代から好成績を積み重ねてきた
- 高校・大学で着実に成長し、全国大会でも安定したパフォーマンスを披露
- 2024年のレギュラーツアーでの2位・4位入賞など、プロ1年目から存在感を発揮
- スポンサー・契約先も多数で、活動環境が充実しているのも強み
- 2025年はレギュラーツアーが主戦場となり、初優勝も視野に入るシーズン