テレビのゴルフ中継を見ていると、「現在のトップは5アンダーです」や「トータル2桁アンダーの戦いになりました」といった言葉をよく耳にしませんか?
ゴルフを始めたばかりの方にとって、この「アンダー」という言葉は、なんとなく良いことだとは分かっていても、具体的にどれくらい凄いことなのか、どう計算されているのかが直感的に分かりにくいものです。
私自身もゴルフを始めた当初は、「スコアが少ない方が勝ち」という基本ルールと、「マイナスの数字が増えていく」というアンダーの表記に頭が混乱した経験があります。
「なんで打数が減るの?」「マイナスってことは打ってないの?」と素朴な疑問を抱いたこともありました。
でも、安心してください。
この「アンダー」の仕組みを正しく理解することは、実はそれほど難しいことではありません。
むしろ、この基準を知ることで、プロゴルファーがいかに異次元のプレーをしているのかが手に取るように分かり、週末のトーナメント観戦が劇的に面白くなるはずです。
この記事では、ゴルフにおける「アンダー」の基本的な意味から、スコアの計算方法、そしてプロとアマチュアにおけるアンダーの価値の違いまでを分かりやすく紐解いていきます。
読み終わる頃には、リーダーボードの数字が単なる記号ではなく、ドラマチックな物語に見えてくることでしょう。
それでは、ゴルフのスコアにおける最も輝かしい領域、「アンダー」の世界へご案内します。
ゴルフの「アンダー」基本の仕組みと数え方
rookiegolfgirls.com:image- アンダーパーの正体とは?基準となる数字の秘密
- スコアがマイナスになる?初心者が驚く表記の謎
- アンダーを出すために必要なバーディとボギーの関係
- 1ラウンドで「アンダー」を出す難易度と価値
- 「イーブンパー」と「オーバーパー」との違いを知る
- リーダーボードの「赤字」が意味する特別な状態
アンダーパーの正体とは?基準となる数字の秘密
- 「規定打数」より少なく回ることが定義
- コースごとに設定された「パー」が基準点
- 各ホールの積み重ねが最終結果になる
ゴルフにおける「アンダー」とは、正式には「アンダーパー(Under Par)」のことを指します。
この言葉が意味するのは、コースや各ホールに設定された「規定打数(パー)」よりも、少ない打数でプレーを終えている状態のことです。
ゴルフ場には、1番ホールから18番ホールまで、それぞれのホールに「このホールは何回でカップインするのが標準ですよ」という基準打数が決められています。
これを「パー(Par)」と呼びます。
一般的なゴルフコースでは、18ホールのパーの合計は「72」に設定されていることがほとんどです。
つまり、すべてのホールを規定打数通りに回れば、スコアは「72」になります。
この基準となる「72」という数字よりも少ない打数、例えば「71」や「70」でラウンドを終えた場合、そのスコアは「アンダーパー」と呼ばれるのです。
「アンダー」という言葉には「下回る」という意味があります。
基準となるパーの数字を「下回る打数」で上がってきた、という意味で捉えるとイメージしやすいでしょう。
逆に、基準よりも多く打ってしまうことは「オーバーパー」となります。
ゴルフは打数が少ないほど優秀な成績となるスポーツですから、アンダーパーであることは、非常に優れたプレーをした証と言えます。
この「基準に対してどうか」という考え方は、ゴルフ特有の面白さの一つです。
絶対的な打数(例えば70回)も重要ですが、「パー72のコースでの70回」なのか、「パー70のコースでの70回」なのかによって、その意味合いは変わってきます。
前者は「2アンダー」ですが、後者は「イーブンパー(プラスマイナスゼロ)」となるからです。
このように、アンダーかどうかを判断するためには、必ずそのコースの「トータルパー」を確認する必要があります。
多くのプロトーナメントでは、パー72やパー71のコースで開催されることが多く、選手たちはこの基準打数をいかに下回るか、つまり「いかにアンダーを伸ばすか」を競い合っています。
アンダーの世界に足を踏み入れることは、コース設計者が想定した難易度を、プレーヤーの技術が凌駕した瞬間とも言えるでしょう。
まずは「パー(基準)より少ない=アンダー」というシンプルな図式を頭に入れておいてください。
スコアがマイナスになる?初心者が驚く表記の謎
- アンダーパーは「-」記号で表記される
- 総打数とアンダー表記の使い分け
- テレビ中継でのリーダーボードの見方
ゴルフのスコアを見るとき、初心者が最も戸惑うのが「マイナス表記」ではないでしょうか。
他の多くのスポーツでは、得点は加算されていくものであり、数字が増えれば増えるほど良い結果となることが一般的です。
しかしゴルフでは、打数は少ない方が良く、さらに基準(パー)との比較においてはマイナスの数字が「優秀」であるとされます。
具体的に見ていきましょう。
例えば、パー72のコースを「70打」で回ったとします。
この場合、基準の72から2打少ないので、「2アンダー」となります。
これをスコアボードやテレビのリーダーボードでは「-2」や「△2」といった形で表記します。
逆に、74打で回った場合は2打多いので「2オーバー」、表記は「+2」となります。
なぜわざわざこのような表記をするのでしょうか。
それは、現在の順位や状況を一目で把握しやすくするためです。
プロの試合は数日間にわたって行われます。
もし全ての打数を合計した数字(ストローク数)だけで表示していると、今どの選手がどれくらい良いペースで回っているのかを計算するのが大変になります。
例えば、3日目を終えて「205ストローク」と言われるよりも、「11アンダー(-11)」と言われた方が、「ああ、基準より11打も少なく回っているんだな」と直感的に凄さが伝わります。
また、ホールごとの経過を知る上でも、この表記は便利です。
スタート時を「0」とし、バーディを取れば「-1」、ボギーを打てば「+1」と増減させていくことで、現在の自分の立ち位置がリアルタイムで分かります。
テレビ中継のリーダーボードで、選手の名前の横に「-5」や「-10」といった数字が並んでいるのを見たことがあるでしょう。
これは、「その時点までに、基準より何打少なく回っているか」を示しています。
つまり、このマイナスの数字が大きければ大きいほど(絶対値が大きいほど)、その選手は好調で、順位が高いことを意味します。
最初は「マイナスが良い」という感覚に慣れないかもしれませんが、ゴルフにおいては「マイナスこそがプラスの評価」なのです。
この逆転の発想こそが、ゴルフスコアの面白さであり、奥深さでもあります。
リーダーボードの一番上に、最も大きなマイナスの数字を持つ選手がいる。
これさえ覚えておけば、世界中のどんなトーナメントを見ても、誰が勝っているのか瞬時に理解できるようになります。
アンダーを出すために必要なバーディとボギーの関係
- バーディを取ることでスコアが1つ減る
- ボギーを打つとスコアが1つ増える
- ミスを帳消しにする攻めの姿勢が鍵
アンダーパーを達成するためには、具体的にどのようなプレーが必要になるのでしょうか。
基本的には、パー(基準打数)よりも少ない打数であがるホール、つまり「バーディ」や「イーグル」を積み重ねることが不可欠です。
計算式はとてもシンプルです。
パーであがれば「0」、バーディ(パーより1打少ない)なら「-1」、イーグル(2打少ない)なら「-2」となります。
逆に、ボギー(パーより1打多い)なら「+1」、ダブルボギー(2打多い)なら「+2」です。
例えば、18ホールすべてをパーで回れば、合計は「0」、つまりイーブンパーです。
ここからスコアをアンダーにするには、どこかのホールでバーディを奪取しなければなりません。
もし1つのバーディを取り、残りがすべてパーなら、トータルは「1アンダー」になります。
しかし、ゴルフはミスのスポーツと言われるように、18ホールを回る中で一度もミスをしないことはプロでも困難です。
ボギーを打ってしまうこともあるでしょう。
ここで重要になるのが、「バーディでボギーを帳消しにする」という考え方です。
例えば、前半で2つのボギー(+2)を叩いてしまったとします。
この時点では2オーバーです。
しかし、後半で3つのバーディ(-3)を取ることができれば、計算上は「+2 - 3 = -1」となり、トータルで1アンダーに持ち込むことができます。
つまり、アンダーを出すためには、単にミスをしないだけでなく、ミスを上回るだけの「攻めのプレー」が必要になるのです。
守っているだけでは、パーを拾うことはできても、スコアをマイナスにすることはできません。
リスクを恐れずピンを狙い、パットを強気に打ってバーディをもぎ取る。
その積極的な姿勢の結果として、アンダーパーという輝かしいスコアが生まれるのです。
もちろん、プロの試合では「ノーボギーで5バーディ」といった完璧なラウンドが見られることもあります。
これは「5アンダー」となります。
バーディとボギーのシーソーゲームを制し、最終的にマイナスの領域に踏みとどまること。
これがアンダーを目指す上での醍醐味であり、難しさでもあります。
1ラウンドで「アンダー」を出す難易度と価値
- アマチュアにとってアンダーは夢のまた夢
- プロでも毎日アンダーを出すのは至難の業
- コースコンディションによって難易度は激変する
では、実際に1ラウンド(18ホール)をアンダーパーで回ることは、どれくらい難しいことなのでしょうか。
結論から言えば、一般のアマチュアゴルファーにとって、アンダーパーは「一生に一度出れば奇跡」と言っても過言ではないほどの高い壁です。
多くのゴルファーが目標とする「100切り」のスコアは、パー72のコースで言えば「27オーバー」まで許されます。
上級者の目安とされる「シングルプレーヤー」や「70台」でさえ、数オーバーであることがほとんどです。
パープレー(72)で回ること自体がすでに偉業であり、そこからさらに打数を減らすアンダーパーは、まさに神業に近い領域なのです。
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一方、プロゴルファーにとっても、アンダーパーは決して簡単なことではありません。
確かに彼らは日常的にアンダーを出しますが、それは厳しいトレーニングと卓越した技術があってこそです。
しかも、プロの試合が行われるコースは、アマチュアがプレーするセッティングとは比較にならないほど難しく設定されています。
深いラフ、高速グリーン、厳しいピン位置。
そのような過酷な条件下で、1打でもスコアを縮めようとするプロたちの技術は圧巻です。
それでも、風が強かったり、コースコンディションが悪かったりすれば、予選通過ラインがオーバーパーになることも珍しくありません。
世界のトッププロであっても、調子が悪ければ「80」を叩くことさえあるのがゴルフの怖さです。
だからこそ、1ラウンドを通して集中力を維持し、アンダーパーでホールアウトすることには、計り知れない価値と賞賛が与えられるのです。
もしあなたが観戦中に、特定の選手が「65」や「64」といったビッグスコア(大幅なアンダー)を出しているのを見たら、それはその選手がその日、コースを完全に攻略し、ゾーンに入っていた証拠です。
それは単なる数字以上の、芸術的なパフォーマンスの結果と言えるでしょう。
アンダーパーとは、自然との闘い、自分との闘いに打ち勝った者だけに与えられた勲章のようなものなのです。
「イーブンパー」と「オーバーパー」との違いを知る
- イーブンパーは基準打数とぴったり同じこと
- オーバーパーは基準打数より多い状態
- アンダー、イーブン、オーバーの境界線
アンダーパーをより深く理解するために、対となる概念である「イーブンパー」と「オーバーパー」についても整理しておきましょう。
「イーブンパー(Even Par)」は、その名の通り「対等」「均等」を意味し、基準打数(パー)とぴったり同じ打数で回ることを指します。
パー72のコースであれば「72」、パー71なら「71」がイーブンパーです。
スコアボードでは「0」や「E」と表記されることが一般的です。
プロの世界では、イーブンパーは「耐えた」「まずまず」といった評価になることが多いですが、難関コースや悪天候の日には、イーブンパーを守りきることが上位進出の鍵になることもあります。
アマチュアにとっては、イーブンパーは夢のようなスコアであり、プロ並みの実力を持っていることの証明でもあります。
一方、「オーバーパー(Over Par)」は、基準打数よりも多く打ってしまった状態です。
ほとんどのアマチュアゴルファーは、このオーバーパーの領域でプレーしています。
スコアボードでは「+」の記号で表され、例えば「+3」なら「3オーバー」と読みます。
プロの試合では、オーバーパーになると順位を大きく落とす原因となり、予選落ちの危機に瀕することもあります。
しかし、ここで重要なのは、アンダー、イーブン、オーバーは常に流動的であるということです。
スタート時は全員がイーブン(E)から始まります。
1番ホールでバーディを取ればアンダーの世界へ。
しかし、続くホールでダブルボギーを叩けば、一気にオーバーの世界へと転落します。
この境界線を行き来するスリリングな展開こそが、ゴルフ観戦の醍醐味です。
「今のバーディでイーブンに戻した!」「このボギーでオーバーに落ちてしまった…」といった視点で応援することで、1打の重みがより鮮明に感じられるはずです。
特に優勝争いにおける「アンダーパーの維持」がいかに精神力を削るものであるか、そのプレッシャーを想像しながら観戦してみると良いでしょう。
リーダーボードの「赤字」が意味する特別な状態
- 多くの大会でアンダーパーは赤色で表示される
- 赤字は好調な選手の目印
- リーダーボードが赤く染まる大会は伸ばし合い
ゴルフ中継やコースに設置されたリーダーボード(速報板)を見ると、スコアの数字に色が付けられていることに気づくはずです。
一般的に、多くの大会ではアンダーパーのスコアは「赤色(赤字)」で表示されます。
これに対して、オーバーパーは「黒色(黒字)」や「青色」で表示されることが慣例となっています(イーブンパーも黒や緑など大会による)。
この色分けは、視覚的に誰が上位にいるのかを瞬時に判断するのに非常に役立ちます。
「赤字」になっている選手は、すなわちコースを攻略し、パーよりも良い成績で回っている選手たちです。
ビジネスの世界では「赤字」は損失を意味する悪い言葉ですが、ゴルフの世界では全く逆で、「赤字」こそが最高のステータスであり、称賛されるべき状態なのです。
大会によっては、上位陣が軒並み2桁アンダーまでスコアを伸ばし、リーダーボードの上半分が真っ赤に染まることがあります。
これを「伸ばし合い」の展開と呼びます。
逆に、メジャー大会などの非常に難易度の高いセッティングでは、アンダーパー(赤字)の選手がごくわずかで、ほとんどの選手が黒字(オーバーパー)で苦しんでいるという展開もあります。
リーダーボード全体の色味を見るだけで、「今日は攻めるゴルフがハマる日なのか」「耐えるゴルフが必要な日なのか」という試合全体の空気感を感じ取ることができます。
次にゴルフ中継を見る際は、ぜひ画面の隅に表示されるスコアの色に注目してみてください。
赤い数字をキープし続けることがいかに難しいか、そしてその赤字を一つずつ増やしていくプロの凄みが、より一層伝わってくるはずです。
プロの世界とアマチュアの現実 アンダーを巡る攻防
rookiegolfgirls.com:image- プロゴルファーにとってのアンダーは当たり前なのか
- アマチュアゴルファーが目指すべき現実的なスコア
- 3日間・4日間のトータルアンダーが示す真の実力
- コースの難易度で変わるアンダーの価値と重み
- 試合観戦が変わる!優勝争いのアンダーライン
- FAQ(よくある質問):アンダーに関する疑問を解消
- ゴルフのアンダーを理解してプレーも観戦も楽しもう(まとめ)
プロゴルファーにとってのアンダーは当たり前なのか
- プロの予選通過ラインはイーブンかアンダーが多い
- 賞金を稼ぐためにはアンダーが必須条件
- 「当たり前」に見えて、裏には緻密なマネジメントがある
プロゴルファーにとって、アンダーパーで回ることは「当たり前」なのでしょうか。
答えは「イエス」でもあり、「ノー」でもあります。
職業としてゴルフをしている以上、彼らは常にアンダーパーを出すことを求められています。
多くのレギュラートーナメントにおいて、予選を通過して決勝ラウンドに進むためのカットライン(ボーダーライン)は、イーブンパーから1アンダー、あるいは2アンダー程度になることが一般的です。
つまり、アンダーを出せなければ、給料(賞金)を得る土俵にすら上がれないというのが、プロの厳しい現実なのです。
優勝争いをするトッププロたちは、4日間トータルで10アンダー、時には20アンダーといった驚異的なスコアを叩き出します。
1日平均で3つから5つ、スコアを伸ばし続ける計算になります。
これだけを見ると「プロなら簡単にアンダーが出るんだな」と思ってしまいがちですが、実際はそう単純ではありません。
彼らは、ただ闇雲にピンを狙っているわけではないのです。
「ここはボギーでも仕方ない」と守るホールと、「ここは絶対にバーディを取る」と攻めるホールを明確に区別しています。
この緻密なコースマネジメントと、ミスを最小限に抑えるリカバリー能力があるからこそ、結果としてスコアがアンダーにまとまるのです。
また、調子が悪くても、ショットが曲がっても、なんとか「71」や「70」でまとめてくるのが一流プロの証です。
「アンダーを出すのが当たり前」なのではなく、「どんな状況でもアンダーに持っていく技術と精神力を持っている」と言い換えるのが正しいでしょう。
観戦する際は、彼らが派手なバーディを取るシーンだけでなく、ピンチの場面でいかにパーを拾い、スコアを崩さないように耐えているかにも注目してみてください。
その「耐える力」こそが、アンダーを生み出す源泉なのです。
アマチュアゴルファーが目指すべき現実的なスコア
- アマチュアの「アンダー」はネットスコアで考える
- ハンディキャップを含めた楽しみ方
- グロスでのアンダーは超上級者の領域
プロの世界では当たり前のアンダーパーですが、私たちアマチュアゴルファーはこれをどう捉えるべきでしょうか。
もしあなたが「いつかはアンダーで回りたい」と本気で考えているなら、それは素晴らしい目標ですが、同時に非常に険しい道のりであることを覚悟しなければなりません。
一般的なアマチュアにとって、実際の打数(グロススコア)でアンダーを出すことは、前述の通り「奇跡」に近い出来事です。
しかし、アマチュアにはアマチュアなりの「アンダー」の楽しみ方があります。
それが「ネットスコア」という考え方です。
多くのコンペや月例会では、ハンディキャップ(ハンデ)が採用されています。
これは、技量に応じて持ち点が与えられ、実際のスコアからそのハンデを引いた数字で競うシステムです。
例えば、あなたのグロススコアが「90」だったとしても、ハンディキャップが「20」あれば、ネットスコアは「70」になります。
パー72のコースであれば、これは立派な「2アンダー」です。
このように、ハンディキャップを含めたスコアであれば、初心者や中級者でもアンダーを出し、プロのような「スコアを伸ばす喜び」を味わうことが可能です。
コンペで優勝する人の多くは、このネットスコアでアンダーを出しています。
まずはグロスでの「100切り」や「90切り」を目指しつつ、コンペなどではハンデを活かして「今日はネットで3アンダーだった!」と喜ぶ。
これが、アマチュアゴルファーにとっての最も現実的で、かつ楽しいアンダーとの付き合い方と言えるでしょう。
もちろん、練習を重ねてグロスでのアンダー(71以下)を目指すことを止める理由は何もありません。
それはゴルファーとしての究極の夢であり、到達点の一つだからです。
3日間・4日間のトータルアンダーが示す真の実力
- 「まぐれ」を排除するのが複数日の競技
- 4日間スコアを伸ばし続ける難しさ
- トータルアンダーこそが強さの証明
ゴルフのトーナメントは、通常3日間(女子ツアーなど)や4日間(男子ツアー、メジャーなど)かけて行われます。
なぜ1日だけで勝負を決めないのでしょうか。
それは、ゴルフというスポーツが「運」や「その日の調子」に左右されやすい性質を持っているからです。
たまたまパットが入りまくって、1日だけ「65」が出ることは、プロでなくても稀に起こり得ます。
しかし、それを2日、3日、4日と続けることは、「まぐれ」では絶対に不可能です。
4日間トータルでアンダーパーを記録するためには、日ごとに変わるコースコンディション(風、雨、グリーンの硬さなど)に対応し、肉体的な疲労や精神的なプレッシャーに打ち勝つ必要があります。
初日に5アンダーで首位に立っても、2日目に5オーバーを打ってしまえば、トータルはイーブンパーに戻ってしまいます。
このように、長期間にわたってスコアを崩さず、積み上げていく安定感こそが、真の実力者の証明なのです。
特にメジャー大会などの大舞台では、最終日に近づくにつれてコースセッティングが厳しくなり、アンダーを出すことが困難になっていきます。
その中で、じわりじわりとスコアを伸ばし、トータルスコアを2桁アンダーに乗せてくる選手が現れたとき、私たちはその圧倒的な強さに感動を覚えるのです。
リーダーボードを見るときは、「今日のスコア」だけでなく、「トータルスコア」の推移に注目してみてください。
「初日は出遅れたけど、毎日2つずつ伸ばして気がつけば上位にいる」といった選手のすごさに気づけるはずです。
コースの難易度で変わるアンダーの価値と重み
- 簡単なコースでの「-5」と難関コースでの「-1」
- 「コースレート」が難易度の目安
- 数字だけでなく背景にある難易度を知る
「5アンダー」と「1アンダー」。
数字だけ見れば前者の方が優れていますが、ゴルフの面白さは、これが必ずしも「5アンダーの方が凄いプレーだった」とは限らない点にあります。
なぜなら、プレーするコースの難易度が全く異なる場合があるからです。
フェアウェイが広く、グリーンが素直で距離も短いコースでの「5アンダー」は、プロにとっては比較的出しやすいスコアかもしれません。
一方、フェアウェイが狭く、深いラフに囲まれ、ガラスのように速いグリーンを持つ難関コースでの「1アンダー」は、神がかり的なプレーの結果である可能性があります。
特に「全米オープン」のような世界最高峰のメジャー大会では、優勝スコアがイーブンパー、あるいはオーバーパーになることさえあります。
そのような過酷なセッティングの中で、たった一つでもアンダー(赤字)を出すことができれば、それは称賛に値する偉業なのです。
コースの難易度を知る一つの目安として、「コースレート」という数値があります。
これはスクラッチプレーヤー(ハンデ0の上級者)がそのコースを回った時の平均スコアを予測したものです。
パー72のコースでも、コースレートが「75.0」であれば、それは非常に難しいコースであることを意味します。
アンダーの価値を正しく理解するには、単にスコアの数字を見るだけでなく、「どのような条件下で出されたスコアなのか」という背景を想像することが大切です。
気象条件やコースセッティングという敵と戦いながらもぎ取った「1アンダー」の重み。
それを感じ取れるようになれば、あなたはもう立派なゴルフ通と言えるでしょう。
試合観戦が変わる!優勝争いのアンダーライン
- 優勝スコアの予想ラインを知る
- 「カットライン」の攻防もスリリング
- バックナインでのスコア変動を楽しむ
トーナメント観戦をより楽しむために、ぜひ意識してほしいのが「優勝想定スコア(アンダーライン)」です。
大会が始まると、解説者たちが「今週は20アンダーくらいの伸ばし合いになるでしょう」とか、「優勝ラインは10アンダー前後になりそうです」といった予想をします。
この「ゴール地点」を知っておくことで、選手たちの現在の位置がより明確に見えてきます。
例えば、優勝ラインが15アンダーと予想されている大会で、2日目を終えてトータル3アンダーの選手がいたとします。
残り2日間で12打縮めるのは至難の業ですから、「この選手は優勝争いからは少し遅れているな」という判断ができます。
逆に、難関コースで優勝ラインが5アンダーと予想されているなら、トータルイーブンパーの選手にも十分逆転のチャンスがあることが分かります。
また、予選ラウンド(初日・2日目)では、「カットライン(予選通過ライン)」を巡るアンダーの攻防も見逃せません。
「あと1打伸ばせば予選通過、落とせば予選落ち」というギリギリのライン(例えばトータル1アンダーなど)にいる選手たちの、最終ホールのパットにかける執念は、優勝争いに劣らないドラマがあります。
そして最終日のバックナイン(後半9ホール)。
ここでのスコアボードの変動は最もエキサイティングです。
トップを走る選手がプレッシャーでスコアを落とし(アンダーを減らし)、追いかける選手が猛チャージでアンダーを積み重ねる。
その数字の交錯を見守りながら、「誰が一番強い心を持っているか」を目撃するのが、ゴルフ観戦の醍醐味です。
FAQ(よくある質問):アンダーに関する疑問を解消
- Q1. プロの最低スコア(最多アンダー)記録はどれくらい?
- Q2. 「ベスグロ」と「アンダー」は違うの?
- Q3. 初心者がアンダーを目指すのは無謀?
Q1. プロの最低スコア(最多アンダー)記録はどれくらい?
世界の主要ツアーにおける1ラウンドの最少ストローク記録は「58」や「59」といった数字が記録されています。
パー72や71のコースでこの数字が出るということは、1ラウンドで「11アンダー」から「13アンダー」というとてつもないスコアを出したことになります。
日本ツアーでも倉本昌弘選手や石川遼選手などが「58」を記録し、伝説となっています。
これはプロの中でも歴史に残る大記録です。
Q2. 「ベスグロ」と「アンダー」は違うの?
違います。
「ベスグロ(ベストグロス)」は、そのコンペや大会の中で、ハンディキャップを引く前の「実数(グロススコア)」が最も良かった人のことです。
ベスグロの人のスコアが必ずしもアンダーであるとは限りません。
例えば、難しいコンディションで優勝者のスコアが「82(10オーバー)」だったとしても、それが参加者の中で一番良いスコアであれば、その人がベスグロ受賞者となります。
アンダーは「基準(パー)より良いこと」、ベスグロは「参加者の中で一番良いこと」と覚えましょう。
Q3. 初心者がアンダーを目指すのは無謀?
グロススコア(実数)でいきなりアンダーを目指すのは、正直なところ無謀と言わざるを得ません。
まずは「120切り」「100切り」といった現実的なステップをクリアしていくことが大切です。
しかし、前述の通り「ハンディキャップを含めたネットスコア」でアンダーを目指すことは、初心者にとっても十分に可能であり、モチベーションを高める良い目標になります。
また、18ホール全体ではなく、「このショートホールだけはパー(あるいはバーディ)を取る!」といった部分的な目標を立てるのもおすすめです。
ゴルフのアンダーを理解してプレーも観戦も楽しもう(まとめ)
- アンダーとは規定打数(パー)より少ない打数で回ること
- 「-(マイナス)」表記はゴルフにおける名誉の印
- 1ラウンドでのアンダーはプロでも簡単ではない
- アマチュアはネットスコアでのアンダーを楽しもう
- リーダーボードの「赤字」は好調な選手の証
今回は、ゴルフの「アンダー」について、その意味や仕組み、そして観戦時のポイントまで詳しく解説してきました。
アンダーパーとは、単なる数字の結果ではありません。
それは、設計者が仕掛けた罠を回避し、自然の猛威に耐え、自分自身のプレッシャーに打ち勝ったゴルファーだけが到達できる、特別な領域です。
これまでは「なんとなく凄い数字」として見ていた「-5」や「-10」というスコアが、これからは「どれだけのバーディを積み重ね、どれだけのピンチを凌いできた結果なのか」というストーリーとして見えてくるはずです。
プロの凄さを肌で感じながら観戦を楽しむもよし、自分自身のハンディキャップ戦でアンダーを狙って一喜一憂するもよし。
「パーより少なく」というシンプルですが奥深いこの概念を知ることで、あなたのゴルフライフは間違いなく、より豊かでエキサイティングなものになるでしょう。
次回のラウンドや観戦では、ぜひこの「アンダー」の重みを感じながら、白球の行方を追ってみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
私自身、初めて「ネットスコアでアンダー」を出した時の喜びは今でも忘れられません。
実際のスコアは90台後半でしたが、ハンデのおかげで優勝することができ、「アンダーってこんなに嬉しいんだ!」と感動しました。
プロのような華麗なプレーはできなくても、ルールや用語の意味を深く知るだけで、ゴルフというスポーツはもっと身近で、もっと楽しいものになります。
この記事が、皆さんのゴルフへの興味をさらに深めるきっかけになれば嬉しいです。
またコースでお会いしましょう!


