ボギーは恥ずかしいスコアじゃない！ボギーペースで100切りを目指す方法

ゴルフを始めたばかりの頃や、なかなかスコアが伸び悩んでいる時、「ボギーばかりで情けない」と落ち込んだり、「どうせならバーディーを取りたい」と焦ったりしていませんか。

多くのアマチュアゴルファーにとって、パーで回ることは高い壁のように感じられ、ボギーというスコアはミスショットの積み重ねだと捉えられがちです。

しかし、

ボギーは決して恥ずかしいスコアではありません。むしろ、ボギーはゴルフの歴史において長らく標準的な目標とされてきた、非常に価値のあるスコアなのです。

このボギーを安定して達成する「ボギーペース」は、多くのアマチュアが目標とする「100切り」や「90切り」を達成するための最も現実的かつ効果的な戦略となります。

この記事では、「ゴルフボギーとは何か」という基本的な意味や興味深い語源の解説に加え、ボギーペースを維持するために必要なコースマネジメントの具体的な方法を徹底的に解説します。

ボギーを敵視するのではなく、あなたのスコアメイクを支える強力な味方として捉え直しましょう。

ボギーの定義とゴルフ用語における位置づけ

ボギーとは？打数の規定とスコアカードでの意味

ゴルフ用語における「ボギー（Bogey）」とは、そのホールの規定打数（パー）よりも1打多い打数でボールをカップインさせることです。

これは「1オーバーパー」とも呼ばれ、スコアカードには「+1」と記載されます。

例えば、パー3のホールであれば4打、パー4のホールであれば5打、パー5のホールであれば6打でホールアウトした場合がボギーとなります。

ゴルフは基本的にパーを基準にスコアが数えられますが、パーが「プロの基準」であるのに対し、ボギーは多くのアマチュアゴルファーが安定して目指すべき「現実的な基準」として位置づけられます。

ボギーを取るということは、ティーショットでミスをしても、セカンドショットやアプローチでリカバリーに成功したことを意味します。

つまり、

ボギーは「一打の失敗はあったが、冷静にプレーを立て直した結果」として評価されるべきスコアなのです。

特に難易度の高いホールや、ライの悪い状況でボギーで収めることができれば、それは立派なナイススコアと言えます。

ボギーは単なる数字ではなく、危機管理能力とリカバリーの成功を示すバロメーターなのです。

この認識を持つことが、メンタル面での安定に繋がり、次のホールでの連続ミスを防ぐことにも役立ちます。

イーグル・バーディー・パーとのスコアの基準比較

ゴルフのスコア用語は、パーを基準として、それより少ない打数（アンダーパー）には「イーグル（鷲）」「バーディー（小鳥）」「アルバトロス（アホウドリ）」といった鳥の名前が充てられています。

これに対し、パーより多い打数（オーバーパー）の基準には、ボギーの後に「ダブルボギー（ダボ）」「トリプルボギー」といった数字の名称が使われます。

以下の比較表で、スコアごとの規定打数に対する差を確認してみましょう。

※ホールインワンはパー3ではイーグル、パー4以上ではアルバトロス以上となります。

この表からわかる通り、ボギーはアンダーパーのスコアとは逆に、ミスを許容した結果として出てくるスコアです。

プロのトーナメントではボギーを打つと順位が下がるため嫌われますが、アマチュアにとってはパーと同じくらい頻繁に出る、重要な基準点となります。

自分の平均スコアを把握し、ボギーを打つ頻度をチェックすることで、改善点を見つけることができます。

ボギーの語源と由来：「ブギーマン」との関係性

「ボギー（Bogey）」という言葉の語源は、スコットランドの古い民謡に登場する架空の怪物「ブギーマン（Bogey Man）」に由来すると言われています。

このブギーマンは、子供を脅かす存在として知られていますが、ゴルフにおいては「完璧なスコアを出すゴルファー」、つまり誰も達成できない目標という意味で使われ始めました。

19世紀末のイギリスでは、まだ「パー」という統一された基準がありませんでした。

各ゴルフ場で、そのホールのベストスコア、あるいはコースを設計した人物が「達成できるはずだ」と設定したスコアを「ボギー」と呼んでいたのです。

そのため、当時のボギーは現在のパーと同じか、むしろそれ以上の最高のスコアを意味していました。

しかし、

1900年代初頭にアメリカでホールの距離に基づいて打数を設定する「パー」という現代的な基準が普及しました。

それまでの「ボギー」は、パーに比べて1打多くかかることが多かったため、次第に「パーより1打多いスコア」として再定義され、現在の意味に落ち着いたのです。

この歴史を知ると、ボギーは元々最高の技術を持ったゴルファーが目指すべきスコアだったということがわかります。

したがって、

現代においてボギーでホールアウトすることは、過去の偉大なゴルファーたちが目指したスコアに近いものであり、決してネガティブに捉える必要はないのです。

ボギーを単なるミスと捉えるのではなく、その歴史的背景を理解することで、プレーに対する心構えも変わるでしょう。

ダブルボギー・トリプルボギーの呼び方と規定打数

ボギーよりもさらに打数が多くなってしまうスコアに、「ダブルボギー」と「トリプルボギー」があります。

規定打数（パー）よりも2打多いスコアがダブルボギー（+2）であり、アマチュアの間では略して「ダボ」と呼ばれることが一般的です。

パー4のホールであれば6打、パー5のホールであれば7打でホールアウトしたことになります。

規定打数よりも3打多いスコアがトリプルボギー（+3）であり、こちらは「トリ」と略されます。

パー4のホールであれば7打、パー5のホールであれば8打でホールアウトした場合が該当します。

ボギーはリカバリーの成功を示す一方で、ダブルボギーやトリプルボギーは大きなミスを連鎖させてしまった結果であることが多いです。

例えば、

ティーショットをOBした後にペナルティを受けて打ち直す、グリーン周りのバンカーから何度も脱出に失敗するといった状況で、これらの大叩きのスコアが生まれます。

ボギーペースで安定して回るためには、このダブルボギーやトリプルボギーをいかに減らすかが鍵となります。

特にアマチュアゴルファーが100切りを目指す場合、1ラウンドでダボ以上を叩く回数を数回に抑えることが、絶対的な条件です。

自分の限界を知り、無理なショットを避ける「リスクマネジメント」を徹底することが、これらの大きなスコアを防ぐ最善の方法です。

ボギーで抑えることができれば、スコアカード上でのダメージは最小限で済みます。

初心者ゴルファーにとってのボギーの価値と目標設定

初心者ゴルファーにとって、ボギーは「悪いスコア」ではなく、むしろ最初の大きな目標となるべきスコアです。

ゴルフコースは通常、パー72で設定されています。すべてのホールをボギー（+1）で回った場合、スコアは72+18=90となります。

これは「ボギーペース」と呼ばれ、多くのゴルファーが目指す「100切り」や「90切り」を達成するための現実的な基準となります。

すべてのホールでパーを狙おうとすると、技術が追いつかずに無理なショットをしてしまい、結果としてダブルボギーやトリプルボギーを叩く原因となります。

しかし、

最初から「このホールはボギーで十分」と目標を設定することで、気持ちに余裕が生まれ、無理のないプレーを選択できるようになります。

ティーショットを無理に飛ばそうとせずフェアウェイをキープする、グリーンを直接狙わずに手前に刻んで得意なアプローチを残すなど、安全策を選べるようになります。

初心者の方は、まず1ラウンドを通じてダブルボギー以上のスコアをなくすことを最初の目標にしてください。

そして、すべてのホールをボギーで回れるように、一歩ずつパーよりも1打多く打つことを許容する心構えが大切です。

ボギーを量産できれば、あなたはすでに上級者への階段をしっかりと登っていると言えるでしょう。

プロのトーナメントにおけるボギーの重みとプレーペース

アマチュアにとってボギーは許容範囲でも、プロのトーナメントにおいてはボギーはスコアを落とす大きな痛手となります。

優勝争いをしているプロゴルファーは、常にバーディーを奪い合うアンダーパーの世界で戦っているからです。

パー5でバーディーやイーグルを狙うプロがボギーを叩くと、他の選手に2打から3打の差をつけられることになり、順位に大きく響きます。

しかし、

プロのプレーにおいてボギーが最も重要になるのは、「ボギーを打った後のプレー」です。

ボギーは誰でも打つ可能性がありますが、その次のホールで連続してボギーを叩く（連続ボギー）ことは、一気に流れを悪くする致命傷となります。

プロはボギーを打ってもすぐに気持ちを切り替え、次のホールでバーディーを奪い返すという高いリカバリー能力を持っています。

このメンタルの強さも、プロゴルファーとアマチュアゴルファーの大きな違いです。

また、

プロのボギーは、難易度の高いピンポジションや、風などの悪条件に対して「賢く負けた」結果であることが多いです。

無理にパーを狙わず、安全なエリアにボールを運んでボギーで収めるという判断は、プロならではの高度なコースマネジメントの表れでもあります。

アマチュアも、プロの「ボギー後の切り替えの早さ」を参考にすることで、ミスの連鎖を防ぎ、安定したラウンドを送ることができるようになるでしょう。

平均スコアから見たボギーペースの優位性

統計によると、日本の一般アマチュアゴルファーの平均スコアは100前後と言われています。

この事実を考えると、オールボギーで回る「ボギーペース」（スコア90）は、すでに平均を大きく上回る優秀なスコアであることが分かります。

ゴルフにおけるスコア向上は、派手なバーディーを狙うことよりも、いかに「大叩き（ダブルボギー以上）」を減らすかという安定性の問題が大部分を占めます。

ボギーペースは、すべてのホールで「パーを狙う力」と「リカバリーする力」がバランス良く備わっていることの証明でもあります。

つまり、

もしあなたが常にボギーペースで回れるのであれば、日本のゴルファー上位層に位置していると言えるでしょう。

この安定性を土台として、パー5でバーディーを一つでも取れるようになれば、すぐに80台が見えてきます。

プロゴルファーになるのでなければ、ボギーはあなたのゴルフを構築する上で最も頼りになる基礎です。

ボギーペースを目指すことが、最も効率的かつ現実的なスコアアップの方法であることを理解しましょう。

ボギーペースでスコアを安定させるための戦略

ボギーを戦略的に取るためのアプローチとパットの目標

ボギーを戦略的に取るための基本は、「3オン2パット」のルートを確立することです。

パー4のホールを例にとると、ティーショット、セカンドショット、アプローチの3打でグリーンに乗せ（3オン）、その後の2パットでカップイン（計5打）すればボギーとなります。

この戦略において最も重要となるのは、アプローチとパットの精度です。

セカンドショットでグリーンを外したとしても、そこから確実に寄せワン（アプローチ＋1パット）でパーを狙うか、あるいは安全に2パットで沈められる位置に寄せるかが勝負となります。

特にアプローチでは、カップから1メートル圏内にボールを寄せる技術がボギーペースの生命線となります。

練習では、フルショットよりもアプローチとパットに時間を割き、ショートゲームでの安定性を高めるべきです。

また、パッティングにおいては、無理なロングパットを狙わず、確実に2パットで沈めることを最優先とします。

ボギーは「3オン」を前提としたスコアであることを理解し、グリーン周りの技術向上に努めましょう。

パーオンを諦めて「ボギーオン」を狙うティーショットの考え方

ボギーペースを目指すゴルファーは、すべてのホールで「パーオン（規定打数マイナス2打でグリーンに乗せること）」を狙う必要はありません。

むしろ、「ボギーオン」（規定打数マイナス1打でグリーンに乗せること）を目標としたティーショットの戦略が有効です。

パー4であれば2打目で、パー5であれば3打目でグリーンに乗せられる位置に、確実にボールを運ぶことを優先します。

この考え方では、ティーショットで無理にドライバーを振る必要がなくなります。

OBや池、深いバンカーといったハザードを避けることを最優先し、ドライバーではなく、フェアウェイウッドやユーティリティといったコントロールしやすいクラブを選択する勇気を持ちましょう。

ティーショットで打つべき場所は、「セカンドショットでアプローチしやすい距離が残るフェアウェイ」です。

ボギーペースのゴルファーは、パーを狙うことよりも、大きなミスを避けることに集中すべきです。

ティーショットでフェアウェイを外して林に入れてしまうと、一気にダブルボギーやトリプルボギーに繋がってしまいます。

すべてのショットで「次にボギーで収められるかどうか」を判断基準にすることで、あなたのティーショット戦略は劇的に改善されます。

ダボ（ダブルボギー）を避けてボギーで収めるためのリカバリー技術

ボギーペースを維持する上で最も重要なのは、「ダボ（ダブルボギー）を絶対に打たない」という強い意志と、それを実行するためのリカバリー技術です。

ダブルボギーは、多くの場合、最初のミスを取り戻そうとして、さらに難しいショットを強行した結果として生まれます。

例えば、

林に入れてしまった場合、木の間を抜ける難しいショットを打とうとするのではなく、確実にフェアウェイに出す「刻む」選択が正解です。

ワンペナルティで済む場所からでも、無理をせず、確実にボギーで収められるルートを選びます。

リカバリーの目標は、決してパーではありません。「次のショットでグリーン周りに運ぶこと」を唯一の目標とします。

グリーン周りのバンカーや池にボールが入ってしまうと、ボギーで収めるのは非常に困難になります。

したがって、

バンカーや池を避けて、あえてラフや花道といった、リカバリーしやすい場所を狙う柔軟な発想も必要です。

このリカバリー技術の核となるのは、高度なテクニックではなく、「判断力」です。

常に大叩きを避けるという意識を持つことで、あなたの平均スコアは劇的に向上するでしょう。

苦手なホールでのボギー許容とスコアメイクの基準

ゴルフコースには、地形やハザードの配置によって、誰もが苦手に感じる難易度の高いホール（難ホール）が存在します。

ボギーペースで回るためには、これらの難ホールでは最初から「パーは無理だ」と割り切り、ボギーを許容する心構えを持つことが非常に重要です。

難しいホールで無理をしてパーを狙おうとすると、力が入ってミスを連発し、結果としてダブルボギーやトリプルボギーといった大叩きに繋がります。

難ホールでは、安全なクラブを選択し、ハザードを避けて確実にグリーン周りに運ぶことを最優先とします。

ボギーで収めることができれば、それは難ホールでのナイススコアだと自分を褒めてあげましょう。

一方で、

コースには比較的易しいホール（易ホール）も存在します。

難ホールでボギーを許容した分、これらの易しいホールでは積極的にバーディーやパーを狙いにいく意識が大切です。

例えば、パー5の易しいホールでバーディーが取れれば、難ホールでのボギーを相殺することができます。

このように、コース全体を俯瞰し、ホールの難易度に合わせて戦略的にボギーを許容することで、スコアメイクの基準が明確になります。

ボギーを目指すためのクラブ選択と距離の計算

ボギーペースを目指す上で、クラブ選択の基準は「飛距離」ではなく、「安定性」に置くべきです。

ドライバーよりもフェアウェイウッドやユーティリティの方が、確実にフェアウェイを捉えられるのであれば、そちらを積極的に使用します。

パー4のティーショットでドライバーを諦め、飛距離よりもコントロールを優先したクラブを選択することで、セカンドショットを打ちやすい場所から打つことができます。

また、

アイアンショットでは、グリーンを狙う際にも余裕を持った番手を選ぶことが重要です。

フルスイングでギリギリ届くクラブよりも、軽く振って届くクラブを選ぶことで、ミスの確率を減らすことができます。

この際、常に「ボギーオン」（パー4なら2打目、パー5なら3打目）を基準とした距離計算を行いましょう。

グリーンを直接狙うのではなく、グリーン周りの得意な距離（例えば50ヤード以内）にボールを運ぶことを最優先とします。

その距離を残すためにはどのクラブで打つべきか、逆算してクラブを選択するマネジメントが、ボギーペースを維持する鍵となります。

ボギーを達成した時のメンタル維持と次のホールへの切り替え方

ボギーを達成した時のメンタル維持は、スコアメイクに直結します。

ボギーを打った時、「ミスした」と落ち込むのではなく、「パーオンを逃したのに、よくボギーで収められた」と自分を褒めるポジティブな思考に切り替えましょう。

この考え方が、次のホールでの連続ミスを防ぐための重要なポイントとなります。

特にアマチュアゴルファーは、前のホールのミスを引きずってしまい、その結果として次のホールでもミスを重ねる「負の連鎖」に陥りがちです。

ボギーでホールアウトしたら、スコアカードに記入した後、すぐにそのホールのことは忘れましょう。

次のティーグラウンドに向かう道すがら、深呼吸をしたり、自分の決まったルーティンを行ったりして、気持ちを完全にリセットすることが大切です。

プロゴルファーが常に一定のペースでプレーするのは、感情の波を抑え、次のショットに集中するためです。

あなたも、ボギーを打った時こそ冷静さを保ち、次のホールに集中する練習をしてください。

ボギーは過去のスコアであり、次のホールは新しい挑戦です。

FAQ（よくある質問）

Q1. ボギーペースで回ると具体的にスコアはいくつになりますか？

ゴルフコースは通常パー72（18ホール）で設定されているため、すべてのホールをボギー（+1）で回った場合のスコアは90となります。この「ボギーペース」は、多くのアマチュアが目標とする100切りを達成するための確固たる基準です。

Q2. ボギーペースで回るために特に磨くべき技術は何ですか？

ボギーペースを維持するためには、フルショットの精度よりも「アプローチ」と「パッティング」のショートゲームが重要です。グリーン周りからのアプローチを確実にカップの近くに寄せ、2パット以内で沈める技術を優先して磨くべきです。

Q3. ボギーとパーのスコアの差はプロでも出るものですか？

プロのトーナメントでは、アンダーパーの世界で戦うため、ボギーはスコアを落とすミスとされます。しかし、非常に難易度の高いホールや悪天候下では、プロでもボギーを打つことはあります。その際も、ボギーで収める技術と次のホールでのリカバリー能力がプロの勝負の分かれ目となります。

まとめ：ゴルフボギーを味方につけて安定したスコアメイクを