中地 萌プロのプロフィールやスポンサー、クラブセッティングなどを調査しました

6年のブランクを越え、夢を掴んだ異色のプロゴルファー

1998年12月5日生まれ、奈良県生駒市出身の中地萌プロ。多くのスター選手を輩出した「黄金世代」の一員であり、2024年のプロテストに合格したJLPGA97期生として、プロゴルファーとしてのキャリアを歩み始めました。

しかし、彼女のゴルフ人生は、同世代の多くのトップ選手とは一線を画す、ユニークな道のりを辿っています。特筆すべきは、ゴルフの技術形成期にあたる中学・高校時代の6年間、完全にゴルフから離れていたという点です。

プロフィールと異色の経歴

身長173cm、血液型B型。173cmという女子プロゴルファーとしては比較的高身長であり、彼女自身もこれを活かした「ショット力」をアピールポイントとして挙げています。 学歴は京都の名門、同志社大学政策学部卒業。スポーツ推薦ではなく、指定校推薦で入学し、ゴルフ以外の学問にも触れた経験を持ちます。

ゴルフを始めたのは8歳の時。当初はプロを目指しジュニアの試合にも出場していましたが、中学校でバスケットボール部に入部すると、チームスポーツの魅力に惹かれ、中学・高校の6年間は完全にゴルフから離れました。

転機となったのは同志社大学への進学。「もう一度、やってみようか」とゴルフ部に入部し、ゴルフを再開します。当初はブランクの影響でスコア「100」を打つこともあったものの、すぐに感覚を取り戻し、卒業時にはベストスコア「68」を記録するまでに成長しました。

大学卒業後は一般企業への就職も考えましたが、大学時代から指導を受けていた師匠、水巻善典プロの「中地はゴルフを続けないのか？」という問いかけが転機となります。 この言葉に背中を押され、プロゴルファーを目指すことを決意。兵庫県の名門、鳴尾ゴルフ倶楽部に研修生として所属し、プロテストへの挑戦を開始しました。初挑戦から1次、2次予選での失敗を経験しながらも諦めず、計5回の挑戦を経て、2024年のテスト（最終7位タイ）で遂に合格を果たしました。 合格の要因の一つとして、シーズン中にパターグリップをクロスハンドに変えたことを挙げています。

この6年間のブランクと再起、そして複数回のプロテスト挑戦という経験は、彼女の精神的な強さとゴルフへの深い情熱を物語っています。「一度離れたことはムダではありません。後悔の気持ちはまったくなし」という彼女の言葉は、そのユニークなキャリアを肯定的に捉えている証左と言えるでしょう。

プレースタイル、人物像、そして未来へ

プレースタイルは、身長を活かしたショット力を持ち味としつつも、「カタく。カタく…」と表現するように堅実さも重視しています。ドライバーの平均飛距離は240ヤード。人柄は「いつも笑顔」でありながら「内に秘めた静かな闘志」を持つと評され、質問には慎重に言葉を選ぶ誠実さがうかがえます。

目標とする選手は申ジエプロ。小学4年生の時にトーナメント観戦でファンになり、常に笑顔で攻めのスタイルを貫く点、ファンへの丁寧な対応に感銘を受け、「こういう方になりたいと思った」と語っています。 趣味はライブ鑑賞で、特に乃木坂46の大ファンです。

プロテスト合格時には「まだ実感は湧きませんが、とても嬉しいです。レギュラーツアーでまずは1勝！応援してくれている人を笑顔にできるプロになりたいです」と目標を語りました。現在の所属は鳴尾ゴルフ倶楽部。2025年シーズンのQTランキングは146位からのスタートとなりますが、そのユニークな経歴と確かな実力、そして強い意志をもって、今後の活躍が期待されるプロゴルファーです。