2026ステップ・アップ・ツアー

肥後莉音が63の猛チャージで逆転初優勝を飾ったロイヤルメドウカップ2026

JLPGAステップ・アップ・ツアー2026シーズン第9戦「ロイヤルメドウカップ」は、栃木県芳賀郡のロイヤルメドウゴルフ倶楽部で開催されました。賞金総額は2,000万円、優勝賞金は360万円。大会は初日からバーディー合戦の予感たっぷりで、選手たちが次々とスコアを伸ばす展開になりました。

ただ、今年のロイヤルメドウカップが本当に面白かったのは、単なる伸ばし合いで終わらなかったところです。初日は植手桃子選手が7アンダーで飛び出し、2日目にはイナリ選手が9バーディーの猛攻で首位へ浮上。そして最終日には、ルーキーの肥後莉音選手がコースレコードとなる63をたたき出し、通算17アンダーで逆転優勝を飾りました。

参照元:JLPGA公式「植手桃子 7アンダーで首位発進」「9バーディーを奪ったイナリ 通算11アンダーで首位に浮上」「63の猛チャージ 肥後莉音がプロ初V」「最新情報ーロイヤルメドウカップー次戦へひとこと

初日は植手桃子が7アンダーで大会の火ぶたを切った

大会初日、いきなりリーダーボードをにぎわせたのは植手桃子選手でした。7バーディー、ボギーなしの65をマークし、自身初となる首位発進。まるで「今日は全部うまくいきます」とスコアカードが先に宣言しているような、気持ちのよいスタートでした。

植手選手は、今週からパターを中尺から通常の長さに戻したことで感覚が良くなったと振り返っています。パーオンも17回。ほとんどのホールでバーディーチャンスにつける内容で、本人も満足度の高いラウンドだったようです。

1打差の6アンダーには、原江里菜選手、上久保実咲選手、徳永歩選手が並びました。原選手はショットとパッティングがかみ合い、上久保選手は11番からの5連続バーディーで一気に流れをつかみました。徳永選手もドライバーに課題を感じながら、アイアンとパットでしっかりスコアを作っています。

初日からこれだけ伸びると、見ている側は自然と前のめりになります。「これは普通の大会では終わらないぞ」と。ロイヤルメドウの空気は、まだ初日なのに、すでに最終日みたいな熱を帯びていました。

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2日目はイナリが9バーディーで主役の座を奪いにきた

2日目になると、今度はイナリ選手が一気に主役へ躍り出ました。9バーディー、3ボギーの66をマークし、通算11アンダーで単独首位へ浮上。9バーディーという数字だけでも十分すごいのですが、ボギーが3つあっても首位に立つところに、この日の攻撃力が表れています。

イナリ選手は最近、ドライバーとパターを替えたことで、プレーの感触が良くなってきたと話していました。飛距離も少しずつ伸び、自信を持って攻められるようになったことが、バーディー量産につながったようです。ゴルフ道具を替えて急にスイッチが入る。こういう展開は、見ている側としても「そのクラブ、何が入っているんですか」と言いたくなるほどワクワクします。

1打差の2位には酒井美紀選手。ショットの状態はかなり良く、グリーンを外さない安定感を見せました。ただ、短いチャンスをいくつか逃したこともあり、本人としてはまだ伸ばせた感覚があったはずです。久しぶりの最終日最終組を楽しみにしながら、伸ばし合いに食らいつく姿勢を見せていました。

通算9アンダーの3位には石田可南子選手。最終18番でバーディーを奪い、優勝争いにしっかり残りました。さらに新垣比菜選手も4位タイにつけ、まだまだ上位は混戦。2日目終了時点で、誰が勝ってもおかしくない雰囲気が漂っていました。

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最終日は肥後莉音がまさかの63で全員を追い抜いた

最終日、3打差を追ってスタートした肥後莉音選手が、ロイヤルメドウカップの空気を一変させました。コースレコードとなる63。しかも通算17アンダーでトーナメントレコードも更新。まさに、後ろからものすごい勢いでやってきて、気づいたら先頭でゴールテープを切っていたような逆転劇でした。

肥後選手は、スタート前から優勝スコアを15アンダーから16アンダーあたりと想定していたようです。そのうえで、前半で4つ伸ばし、後半勝負に持ち込むというプランを描いていました。そして実際に、そのシナリオを上回るような内容で勝ち切ったのです。

この日の勝因として本人が挙げたのはパッティングでした。チャンスを作るだけではなく、決めきる。ここが噛み合うと、ゴルフは一気にドラマになります。しかも最終日、優勝争い、ルーキー、初優勝。材料だけ並べても十分に濃いのに、そこへ63という数字が乗ってくるのだから、これはもう記事を書く側も少し息が上がります。

特に大きかったのが後半10番です。第1打を左ラフの木の下へ入れ、目の前には木。普通なら「ここは耐えるホール」と考えたくなる場面です。しかし肥後選手は、6番アイアンのランニングショットで切り抜け、ピン奥10メートルの下りのパットを沈めました。狙いすぎず、スピードを合わせた一打。それがカップに吸い込まれ、流れをつなぎました。

16番パー5も見逃せません。第1打を林に打ち込みながら、そこからリカバリー。残り199ヤードの第3打を5番ウッドでピン2メートルにつけ、この日8つ目のバーディーを奪いました。ピンチの顔をしたチャンスを、しっかりバーディーに変える。こういう場面が続くと、見ている側はもうスコア速報を閉じられません。

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石田可南子は初の最終日最終組で堂々の2位に入った

肥後選手の猛チャージがあまりにも鮮烈でしたが、2位に入った石田可南子選手の戦いぶりも見応えがありました。最終成績は通算15アンダー。初めての最終日最終組で、緊張する暇もないほど自分のプレーに集中できたと振り返っています。

リーダーボードを見て「いかなければ」と感じる場面もあったようですが、そこでガツガツいきすぎると空回りしてしまうのがゴルフの怖いところです。石田選手は目の前の1打に集中し、自分のベストを尽くしました。優勝には届かなかったものの、この経験はかなり大きな財産になるはずです。

3位タイには新垣比菜選手、酒井美紀選手、藤井美羽選手が入りました。新垣選手はショットの感覚に苦しみながらも、安定したパッティングで上位をキープ。久しぶりのステップ・アップ・ツアーで、次につながる手応えを得た大会になりました。

藤井選手は、首位との差がある中で優勝を意識しすぎず、とにかくスコアを伸ばすことに集中。チャンスのバーディーパットや微妙なパーパットを決めきり、気づけば3位タイまで浮上していました。こういう「今日は伸ばすだけ」と割り切った選手が、最終日に一気に順位を上げてくるのもゴルフの面白さです。

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肥後莉音の初優勝はこれからの物語を感じさせる1勝だった

肥後莉音選手は、オーストラリア生まれ。11歳でゴルフを始め、18歳で米国のペパーダイン大学へ進学しました。ゴルフだけでなく、その後の人生も考え、スポーツ医学も学んできたという経歴があります。ゴルフ一本やりというより、いくつもの道を見ながら前へ進んできた選手です。

大学卒業後にJLPGA最終プロテストに合格し、今季はQTランキング23位の資格でJLPGAツアーに参戦しました。ただ、ツアーの壁は高く、15試合で予選通過は3試合。第1回リランキングを経て、主戦場はステップ・アップ・ツアーへ移ることになりました。

その流れだけを見ると、少し悔しさの残るシーズンに見えるかもしれません。しかし、肥後選手はその状況をただの遠回りにしませんでした。ステップ初出場で優勝争いを演じ、最終日に63を出して逆転優勝。まるで「ここからまた始めます」と言わんばかりの一撃でした。

直近の目標は、明治安田ステップ・ランキングで2位以内に入り、来年のJLPGAツアー出場権を得ること。さらに2週後の大東建託・いい部屋ネットレディスにも主催者推薦で出場予定です。今回の勝利は、単なる初優勝ではありません。次の舞台へつながる扉を、自分の手で勢いよく開けた1勝です。

まとめ ロイヤルメドウカップ2026は最後にルーキーが全部持っていった

ロイヤルメドウカップ2026は、初日から最終日まで本当に目まぐるしい大会でした。初日は植手桃子選手が7アンダーで首位発進。2日目はイナリ選手が9バーディーで単独首位へ浮上。酒井美紀選手、石田可南子選手、新垣比菜選手らも優勝を狙える位置につけ、最終日は伸ばし合い必至の空気になりました。

ところが、最後にすべてをさらっていったのは、3打差から出たルーキーの肥後莉音選手でした。前半で流れを作り、後半のピンチをチャンスに変え、18番ではバーディーフィニッシュ。スコアカードを提出している時に優勝を知らされるという結末まで含めて、まるでドラマの最終回のような展開でした。

ゴルフは、最後まで何が起こるか分かりません。首位で出た選手がそのまま逃げ切ることもあれば、後ろから信じられないスコアで駆け上がる選手もいます。今回の肥後選手の63は、まさにその面白さをぎゅっと詰め込んだようなラウンドでした。

初出場のステップ・アップ・ツアーで、コースレコード、トーナメントレコード、そしてプロ初優勝。これだけそろえば、もう十分すぎるほどのインパクトです。肥後莉音選手の名前は、今後さらに注目されるはずです。次にどんなプレーを見せてくれるのか。ロイヤルメドウで生まれたこのワクワクは、まだしばらく続きそうです。

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