2026ステップ・アップ・ツアー

あおもりレディスオープン2026、宅島美香が17年267日ぶりの歓喜をつかんだ

URL: https://rookiegolfgirls.com/aomori-ladies-open-2026/

Published: 2026-07-28T14:19:48

Modified: 2026-07-28T14:20:09

JLPGAステップ・アップ・ツアー2026シーズン第10戦「あおもりレディスオープンゴルフトーナメント」は、青森県青森市の青森カントリー倶楽部で開催されました。賞金総額は2,000万円、優勝賞金は360万円。初日からバーディー合戦の空気が漂い、最終日には濃霧でスタートが遅れるなど、まさに最後まで何が起こるかわからない大会になりました。

優勝を飾ったのは、プロ21年目の宅島美香選手です。2008年のIDECレディース以来、実に17年267日ぶりとなるステップ・アップ・ツアー通算2勝目。これは同ツアーの最長ブランク優勝であり、記録としても、物語としても、かなり胸が熱くなる1勝でした。

参照元:JLPGA公式「 大林奈央、保坂真由が5アンダーで首位発進 」「 ステップ最長ブランクVへ 宅島美香 首位浮上 」「 プロ21年目宅島美香-ステップ最長ブランクV 」「 最新情報ーあおもりレディスオープンゴルフトーナメントー次戦へひとこと 」

初日は大林奈央と保坂真由が5アンダーで飛び出した

初日は大林奈央と保坂真由が5アンダーで飛び出したのイメージ画像

大会初日の主役は、大林奈央選手と保坂真由選手でした。ともに5アンダーの67をマークし、首位タイでスタート。1打差の4アンダー、3位タイには小滝水音選手ら6人が並び、初日から「これは誰が抜け出すんですか」と言いたくなる混戦模様になりました。

大林選手はティーショットが安定し、ピンをしっかり狙える展開を作りました。ピンチもほとんどなく、ノーボギー。JLPGAツアーでの経験を生かし、スイングだけを気にするのではなく、ゴルフというゲームそのものに向き合えるようになってきたと語っています。

保坂選手も大きなミスが少なく、苦手意識のあった洋芝でも安定したショットを披露しました。コースが広い分、積極的にバーディーを狙っていく姿勢を見せ、初日から伸ばし合いの雰囲気を作ります。

さらに篠崎愛選手は18番パー5で2オンを狙い、奥からのアプローチを寄せてバーディー。李知姫選手もショットの好感触をつかみ、ベテランらしい存在感を見せました。初日から若手、実力者、ベテランが入り乱れ、リーダーボードはなかなかににぎやか。まるで青森の涼しい空気の中で、スコアだけが夏祭り状態です。

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2日目に宅島美香が65をマークして一気に首位へ浮上した

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大会第2日、物語の中心に躍り出たのが宅島美香選手でした。7バーディー、ノーボギーの65をマークし、通算11アンダーで単独首位へ浮上。しかも、ドライバーショットはすべてフェアウェイをとらえ、ほぼパーオンという完璧に近い内容でした。

本人もこの日のプレーを「100点」と表現しています。ゴルフで自分のラウンドに100点をつけられる日は、そう多くありません。ショットが曲がらず、グリーンもとらえ、パットも決まる。選手にとっては夢のような一日ですし、見ている側からすれば「今日は何を打っても真ん中に飛ぶ日ですか」と聞きたくなるほどです。

ただし、最終日は追われる立場になります。宅島選手にとって、これは初めての経験でした。守りに入れば追いつかれる。攻めすぎれば崩れる。しかも雨予報で距離も長く感じる可能性がある。首位に立った瞬間から、優勝争いは楽しいだけではなく、胃がきゅっとなる時間に変わっていきます。

2位タイには通算8アンダーで小林夢果選手と小滝水音選手。小林選手はケガからの復帰戦ながら上位に入り、明治安田ステップ・ランキング上位を目指して攻める姿勢を見せました。小滝選手も同組の宅島選手の好プレーに引っ張られ、後半にスコアを伸ばしています。

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荒川怜郁や肥後莉音も優勝争いの周辺で存在感を見せた

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通算7アンダーの4位には荒川怜郁選手がつけました。荒川選手の言葉で印象的だったのは、「平均80点のゴルフ」という考え方です。100点のショットと0点のミスが混ざるより、全部を70点前後でまとめる。派手ではありませんが、3日間競技ではとても強い考え方です。

荒川選手は、全員が同じ条件で3日間戦って勝ちたいという思いも口にしていました。すでに優勝経験はありますが、短縮競技ではなく、3日間を戦い抜いたうえで勝ちたい。そこには、選手としてもう一段階上に行きたいという気持ちが見えます。

また、前週のロイヤルメドウカップで初優勝を飾った肥後莉音選手も12位タイで最終日へ。祝福の連絡をたくさん受けた後の試合で、パットが決まらない中でもノーボギーで回ったことは立派です。前週のような爆発力をもう一度見せるのか。そんな期待も残したまま、最終日へ向かいました。

この時点で首位の宅島選手と追う選手たちの差はありますが、ゴルフは差がある時ほど面白いものです。追う側は攻めるしかない。追われる側は守れない。つまり、最終日は誰かが何かを仕掛ける可能性が高い展開になるわけです。

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最終日は濃霧でスタートが遅れ一気に緊張感が増した

最終日は濃霧でスタートが遅れ一気に緊張感が増したのイメージ画像

最終日の朝、青森カントリー倶楽部は濃霧に包まれ、スタートが30分遅れました。これがまた、優勝争いの空気をじわっと濃くします。選手にとっては、いつもの時間にスイッチを入れたくても、少し待たされる。体も気持ちも、微妙に揺さぶられます。

首位で迎えた宅島選手は、前半をすべてパーで耐えました。バーディーが来ない。けれどボギーも来ない。派手な動きはありませんが、追われる立場で前半を崩さずに終えたことは大きかったはずです。

そして、バックナインの入口で試合が動きます。10番で残り52ヤードの第3打をピン右2メートルにつけ、この日初めてのバーディー。続く11番では2メートル、12番では2.5メートルを沈めて、なんと3連続バーディーです。

前半の静けさから一転、宅島選手のスコアがぐいっと動き出しました。見ている側からすれば、「ここで一気に決めにきたか」と思う場面です。まるで物語の後半で、主人公がようやく本気を出したような流れでした。

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15番と16番のピンチで宅島美香の経験が光った

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ただし、優勝争いはそう簡単に終わらせてくれません。宅島選手は15番でボギーをたたきます。さらに16番ではバーディーパットを2メートルショート。ここで少しプレッシャーを感じたと振り返っています。

ここが、この大会の大きな分岐点でした。3連続バーディーで流れをつかんだ直後にボギー。そして次のホールで微妙な距離のパーパット。ここで外せば、後続との差はさらに詰まり、空気は一気に変わります。

しかし、宅島選手はここで気持ちを立て直し、パーセーブに成功しました。本人も、ここがキーホールだったと話しています。17番から自分のリズムを取り戻せたのは、この16番をしのいだからでした。

優勝する時には、派手なバーディーだけでなく、こういう地味だけど重いパーがあります。スコアカードではただの「4」や「5」に見えても、実際には心臓に汗をかきながら拾った1打です。宅島選手の21年分の経験が、この場面でしっかり出たように感じます。

最後の18番は1打差に迫られるしびれる展開だった

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最終18番パー5。宅島選手はリーダーボードを見て、1打差に迫られていることを知ります。本人も驚いたようですが、そこから第1打、第2打に全神経を集中させ、絶好のポジションをキープしました。

残り62ヤードの第3打も、パーはセーブできるという確信を持って打てる位置でした。本当はバーディーをウイニングパットにしたい気持ちもあったようですが、最後に必要だったのは勝ち切ること。派手な締めではなくても、優勝へ近づくプレーを選べるところが、ベテランの強さです。

最終的に宅島選手は通算13アンダーで優勝。1打差の通算12アンダー、2位には田村萌来美選手が入りました。田村選手は最終18番でバーディーを奪い、目標としていた12アンダーに到達。優勝には届かなかったものの、3日間すべて60台で回れたことを大きな収穫にしていました。

3位タイには通算10アンダーで浜崎未来選手と中地萌選手。浜崎選手はスタート時点でトップとの差がありながら、自分のできることをしっかりやり切りました。中地選手は、これまで課題だったバックナインで最後まで攻め切れたことを喜び、次こそ優勝へと意欲を見せています。

17年267日ぶりの優勝には長い時間の重みがあった

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宅島美香選手の初優勝は2008年IDECレディース。そこから今回の勝利まで17年267日。数字だけでも長いのですが、その間にはショットの不調、腰痛、出場機会の減少など、決して簡単ではない時間がありました。

成績が出ない時期には、支援してくれるスポンサーが減ったこともあったそうです。それでも、長く応援してくれる人たちの存在が支えになりました。さらに、試合に出られない時期もプロアマなどで新しい出会いがあり、人の輪が広がったと前向きに受け止めています。

この言葉が、とても宅島選手らしいところです。苦しい時間を、ただ苦しいだけで終わらせない。悪いことばかりではないと受け止める。そういう心の持ち方が、17年ぶりの優勝を呼び込んだのかもしれません。

プロ21年目。2006年にプロテストに合格し、今年で20周年の節目。そんな年に「今年の目標は1勝」と掲げ、その目標をしっかり実現しました。しかも、ステップ最長ブランクVという記録つきです。これはもう、ただの優勝ではありません。長編ドラマの最終回で、しっかり涙腺を狙ってくるタイプの優勝です。

まとめ あおもりレディスオープン2026はベテランの強さが光った大会だった

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あおもりレディスオープンゴルフトーナメント2026は、初日から大林奈央選手と保坂真由選手が5アンダーで首位発進し、伸ばし合いの期待をふくらませました。2日目には宅島美香選手が65をマークして首位へ浮上。最終日は濃霧でスタートが遅れる中、前半を耐え、後半の3連続バーディーで流れをつかみ、最後は1打差の緊張感を乗り越えて勝ち切りました。

田村萌来美選手、浜崎未来選手、中地萌選手、小林夢果選手、小滝水音選手、荒川怜郁選手など、上位を争った選手たちもそれぞれ見せ場を作りました。若い選手たちが勢いを見せる中で、最後に勝ったのは経験を積み重ねてきた宅島選手でした。

17年267日ぶりの優勝。プロ21年目の歓喜。苦しい時間を越えて、また勝利の場所へ戻ってきた宅島美香選手の姿は、ゴルフの面白さだけでなく、続けることの強さも教えてくれます。

派手な逆転劇もいいですが、こういうじわじわ胸にくる優勝もたまりません。あおもりの霧の中から現れたのは、最長ブランクVという大きな物語でした。次戦のカストロールレディースでも、宅島選手がどんなプレーを見せてくれるのか、ますます楽しみです。

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